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働き方は一つだけじゃない@江戸川大学講義

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先日、江戸川大学で1コマ講義をする機会を頂きました。

きっかけはTechWaveの集まりで濱田逸郎教授(日本広報学会理事長)と出会ったことだったのですが、 大学で講義をするというのは一つの夢だったので、その場で快諾させていただきました。

メディアコミュニケーション学部マスコミ学科の「 マスコミ総合科目Ⅱ(就職と私達)」という授業で、講義のテーマは下記。

放送・新聞・広報・広告・出版・ネット業界・音楽・ゲーム制作・芸能プロ等、マスコミ関連職種の「仕事の内容」「業界の現状と将来」「就職への道」等をご紹介いただき、キャリア設計の参考とし、3年生秋以降始まる就職活動の準備につなげる。

江戸川大学は、緑豊かなキレイなキャンパスが印象的でした。

ただ、2年生の時点で、このテーマの授業が設定されていることに、時代の切迫感を感じもしました。

シューカツが厳しいと言われる世の中。自殺者も2倍になっている。それは「就職という選択肢の中で、ごく一部の人気企業に皆が殺到し、収まりきらなくなっている」ことが要因の一つです。日本はここ50年くらい上手く発展してきた国だし、親の世代は成功体験から同じ道を歩ませようとするでしょう。しかし、時代は変わり、生き方は多様化していきます。手段はどうであれ、多様な働き方を許容するメッセージを送りたいと思います。

話せる内容は僕一人の経験としてだけですが、学生ベンチャー創業からの新卒で日テレへ、そしてインターネット広告のオプト、最初は事業も何もなかったHALO創業、という10年間をありのままにお話しました。

 

講義のスライドをシェアします。

ちょっとだけ編集してますが、言いたいことは一つだけ。

僕が座右の銘としているConnecting the Dotsです。

 

未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない。

君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。

 

だからこそバラバラの点であっても

将来それが何らかのかたちで

必ず繋がっていくと信じなくてはならない。

自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい。

とにかく信じること。

 

点と点が自分の歩んでいく道の途中の

どこかで必ずひとつに繋がっていく。

そう信じることで君たちは確信をもって

己の心の赴くまま生きていくことができる。

結果、人と違う道を行くことになっても同じ。

信じることで全てのことは、間違いなく変わるんです。

By Steve Jobs

 

参考:http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html

 

これまで働くということは、「学生⇒就職⇒出世⇒定年」と一直線にたどるのが当たり前であったが、これからのキャリアは一直線ではない。 だから、自分が今できることを、今の場所でしっかり残し、あとから線にするのが大切。学生が終わったら働くのもよし、旅や起業をするのも、転職をするのもよい。それぞれが自分の点をつなげていくことで、世界は多様でエキサイティングなものになっていく、と考えています。

 

■江戸川大のみなさんへ

約100名もの方に感想文を頂き、やっと全て読み終わりました。僕のお話をひとつの事例として、キャリア選択の幅を広げてくれたら嬉しいです。あと、講義ではいい忘れたけどシューカツばっかりしてないで、恋愛をしたほうがいいぞ。異性にフラれておかないと、企業にフラれたときのショックが大きすぎるから。
また、濱田教授、清水教授、このような機会をいただきありがとうございました!

 

イセオサムとしては、30歳を目前にして改めて、

Stay hungry, Stay foolish.

を胸に刻んでいこうと思います。

 

 

Thanks a lot, Jobs!

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60歳のルーキー

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今日、急いで向かう場所があったのでタクシーに乗った。

「赤坂まで」というと、運転手は「道がわからないので教えてください」と言う。

え!ここからほぼまっすぐだろ・・・。

パッと見60歳くらい、プロ失格、と降りようかと考えたがそのまま乗ることにした。

 

目的地も近くなり、ナビが明らかに逆を指していたので、逆ですよ、と会話をした。

彼は、「ああ、わかりました」と言った。

彼の声は、少し震えていたのかもしれない。

訛っていたのが気になり、出身を聞いてみた。

すると、宮城だという。

 

さらに話を聞くと、被災して仕事がなくなり、東京の知人の家に居候し、そこで初めてタクシーの運転手という職についたらしい。

正直に「道がわからない」と言うと、降りてしまうお客さんもいると言う。

もし僕がそうしていたら、彼はまた一つ、心の傷を増やしてしまったかもしれない。

 

プロにでも、駆け出しの時はある。

僕は、ちょうどその時の彼に出会っただけなのだ。

60歳(推定)から新たな仕事にチャレンジするなんて素敵じゃないか。

 

無事、目的地に着き、お会計をした。

がんばっている人に、「がんばって」と声をかけてはいけない、とどこかで聞いたので、

「また乗りますね」と言ってみた。

ちょっとだけ、彼は笑顔になってくれたようだった。

 

「釣りはいらねえよ」もやってみたかったが、それは似合わないのでやめておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※写真はイメージであり、実物と関係はありません。

 

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大企業、ベンチャー以外の21世紀の働き方について(2/2)

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先日、大企業、ベンチャー以外の21世紀の働き方についてという記事を書きました。

では、具体的にどんな方法があり得るでしょうか?

実現可能かは実験段階ですが、「社会の問題を解決する」のがベンチャーの役割だとしたら、こんなやり方もあるのでは、という案です。

 

 

 

 

 

 

フリーで活動することのメリットは前半に書いた通りですが、デメリットもしっかり認識した上でそれを解決する方法を考えたいと思います。

■フリーエージェントの欠点

一言で言うと、収入が不安定なことにより、短期的な仕事を受ける必要が出てきてしまい、創造性をなくしてしまうことだと想います。(前述の彼の場合は問題ないと思いますが)

仕事が安定しない

収入が安定しない

目先の仕事をこなす上に、事務作業もやる必要がある

本来やりたかった仕事ができない

結果がでない

(繰り返し)

※参考

フリーランスは良いことずくめじゃない–10個の誤解を打ち砕く(CNET)

日本版ITフリーランサーのデメリット

「フリーは、マッチョじゃなきゃできない」的な。

 

僕の考えるフリーであることのよさ

・個人は自由と自分らしさを保ちながら、仕事に責任を持つ。

・「組織への忠誠」に基礎を置く縦ではなく、「信頼」をベースに横へと張り巡らされた個人的ネットワークで仕事をする

・成功は、各人で定義する。だから、画一的な成功モデルは意味が無い。

参考:『フリーエージェント社会の到来』

 

しかし、物足りない点として、

「所属するチームがあり、チームで勝つ喜びがあること」

があります。

たとえばサッカーチーム。バルセロナのような世界のエースが集まる名門や、代表チームに所属することが自分の誇りとなるように。

 

フリーの創造性を活かすためのウイークタイズ(緩めのつながり)

そこで、こんな仕組みがあったらどうかと考えています。

この前ヤン渡邊と話していて出たイメージは、学生の時に所属していた創像工房 in front ofという映画・演劇プロデュース団体。

常時100名ほどが所属し、プロジェクトごとに脚本・演出・役者・音響・照明・舞台・制作などスタッフを集め、公演を行う。通常の劇団であれば年間4,5本が限界だが、プロジェクト単位で動くため、年間10−20本の企画が走る。幹事会と言われる組織により各企画は承認され実施されるため、一定のクオリティの担保、そして顧客データベースの共有などが行われ、シナジーを出している。

そして、組織のブランドが育つことにより、個人が活動しやすくなる。

所属して活動したことがあるOB/OGとしては、俳優の小出恵介、TBSの青木裕子アナ、大江健三郎賞を受賞した岡田利規、演出家の松居大悟(松田翔太・佐々木希主演の『アフロ田中』を監督)など。

 

これを実現するために、以下、マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」「安全と安定」「所属」までを満たすシステムが作れればと思います。

あとの「承認」はその中で自分の存在感を示し、「自己実現」できる仲間を見つけられるチームであれば、と。

最終的には、この三角形の上部を広げ、四角形に近づく動きができないか、と考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<system>

雇用契約は、フルタイム制と、フリーエージェント制を併用

  • フルタイム:月額固定給+ボーナス
  • フリーエージェント:ベーシックインカム+成果報酬

 

フリーエージェントには収入の安定性を確保

  • 所属するとベーシックインカムがもらえる(月10万円ほど?)+成果報酬
  • 組織のブランドとPRにより、仕事が集まる仕組み
  • ワークシェアがうまく機能し、年1回1ヶ月のバカンスが取得できる。

 

事務処理の軽減

  • 会社のアカウントを使用し、10-20%ほどの手数料を落とす
  • 経理面の処理、保険、年金など福利厚生を含めたバックオフィス業務を一括で引き受ける(重要ポイント)

 

<business>

仕事は受託と自社サービスを半々

  • 受託:しっかり結果をだしてリピート顧客を創る
  • 自社サービス:Labとして自社プロダクトを開発。営業はパートナーにお願いする。

 

<finance>

プライベートカンパニーでありつつ、リスク分散

外部資本は入れない

株式を公開せずに流動性をもたせる仕組み(メンバー含め)

スケールする事業があれば、人材とともに切り出して別会社化(こちらはStartup的で外部資本も検討)

 

ちょっと夢のような話ですが、まずは、ベースを創るところまでは可能だと考えています。

課題は、拡大させていく中でこの体制を維持できるかどうか。挑戦です。

一緒に考えてくれる方、募集!

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大企業、ベンチャー以外の21世紀の働き方について(1/2)

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今回は21世紀の働き方について。

人類の働き方は産業に合わせて変わっていくべきで、その環境を整えるのが企業の役割でもあるのではないか、という問題提起です。

 

ITを活用して、早く、よいサービスが世の中に出る態勢は整ってきました。日本でもちょっと前に比べれば格段に起業しやすくなっていますし、前例もできてきて、お金も集めやすそうになったな、と感じます。

 

例えば、シリコンバレーで言われる”Startup”という考え方は、良いサービスを最速で生み出すためのエコシステム。

しかし、ワークスタイルに関しては旧態依然のまま、と考えられます。(まだ中身をこの目で見たわけではないですが、ひとつの場所に集積することによるメリットを打ち出したり、ファクトリー形式でガツガツ開発をする、というイメージ。もちろんインフラやコミュニケーション面では進化は続いています)

では、そのやり方で得られるものは何でしょうか?

 

■”Startup”をやるにあたって得られるモノ

・新しいサービスを

・仲間と一緒に

・圧倒的なスピード感とグローバルなスケール

・巨額の投資とリターンを得て(IPOの場合も、時にはバイアウトも)

・世界にインパクトを与える社会的意義

→”資本主義”的に、非常にエキサイティングな面は魅力的です。

 

■みんなが成功できるのか?

しかし、この超資本主義的スタイルで成功できるのは、全体で1%にも満たないと想います。

チャレンジの機会が何度もあったとしても、皆が事業のスケールを求める限り、必要なWinnerの数は限られます。

例えば、ソーシャルネットワークが世の中に3つもあれば十分なように。

 

もともと資本主義はそのような仕組みと捉えていて、理解している方問題ないと思います。しかし、このスタイル以外の起業の仕方がもっと広がっても良いのではないでしょうか?

 

例えば、イタリアは人口が4700万人で、企業の数が2000万社というデータby『イタリア人の働き方』

また、USでも人口の1/4がフリーエージェントである、というデータby『フリーエージェント社会の到来』

(フリーエージェントを3種類に分類すると、1650万人のフリーランス、1300万人のミニ起業家=法人化したフリーエージェント、350万人の臨時社員=意図しないフリーを含む、となります)

 

HONDAやSONYを目指せ、というMade in Japanが世界に出てもう一度2位を目指す、といった意義とは別に、働きやすい社会を追求することが、工業国として既に世界のトップを一度とった国にとって必要な方向性なのでは、とも思います。

(これが、実はUSが持つもう一つの側面でもあり)

 


■フリーエージェント宣言

「安定を求めるなら大企業」という信仰がありますが、そこで短期的な金銭面の安定と、親戚の顔を立てる以外に何を目的としているのでしょうか?

やりたい仕事や、学びたいスキルが明確であれば問題ありません。しかし、ぶら下がっているだけだと、毎日9時に出社、残業して20時に帰宅、仕事には興味が持てず、職場は話の合わないおじさんだらけ、有給がとれず、バカンスもない。ストレスでうつ病になる方も、という面もあります。

(僕は大企業、ベンチャーと企業勤めを2社、創業2回、フリーでの仕事をちょっとずつ経験したので、その良い面、悪い面は実感値としてあります。なにしろ、毎月割と良い給料が入ってくる、素晴らしい仲間がいるというのは素晴らしい環境です)

 

だから、就職、起業以外の選択肢として、「フリーエージェント」に関しても、環境を整えていくべきところなのかなと感じています。

 

そのひとつは、ハロのHPを作ってもらっている、フリーエージェントの彼のtweetがキッカケでした。

大学生になったときに「安定」を拾った。「安定」を拾うと同時に「楽しさ」と「刺激」を落とした。そして今年4月、フリーランスになると同時に「安定」を捨てた。そうしたら「楽しさ」と「刺激」が向こうからやって来た。「自由」というリスクを連れて。「自由」と仲良くしなきゃ!自由は危険。
@u_furuya
古屋 悠(Yu Furuya)

 

“Startup”という、資本を集めて最速で世界を変えるサービスを出す、という流れはできつつあります。これは素晴らしいことです。しかし、一方でフリーエージェントという働き方も定着しつつあり、僕らはその恩恵を受けています。だから、その可能性について考えてみたいと思ったのです。

 

■フリーエージェントの欠点

一言で言うと、収入が不安定なことにより、短期的な仕事を受ける必要が出てきてしまい、創造性をなくしてしまうことだと想います。(前述の彼の場合は問題ないと思いますが)

仕事が安定しない

収入が安定しない

目先の仕事をこなす上に、事務作業もやる必要がある

本来やりたかった仕事ができない

結果がでない

(繰り返し)

 

もちろんスキルがあれば問題ないのですが、一部の人を除いてこんな課題が出てくると思います。

だから、それを解決するプラットフォームとしての組織や考え方があると良いな、と考えています。

 

■フリーエージェントを支える考え

ゴールはIPOでも、バイアウトでもない、21世紀を象徴する会社。

プレイヤーに 一定の安定を提供することで、創造性を担保できるプラットフォーム。

そんなものに価値があるのか?

20年前ならあまり価値は感じられなかったと思いますが、全員がWinnerになれない、経済が停滞している時代には必要な機能だと思います。

 

できるやつは、フリーランスでも会社でもやっていける。

しかし、それは全体の1割にもみたないだろう。だから、スーパースターじゃない人が楽しく過ごせる社会を。

そのためのプラットフォームをつくってみたい。

 

たとえば、

  • 学校のように、所属するもの
  • 組織のブランドがあり、仕事がまわってくる
  • 人がいて、コラボができる
  • 事務作業などをまとめてやってくれる
  • Co-workできる空間がある

つまり、自己実現ができるプラットフォームで、働きながら学ぶことができる場所。

 

freelancer.comのような、グローバルで個人が戦うための受注プラットフォームはあります。

しかし、これこそ価格の逆オークションで、過酷な競争社会。自分のブランドを創るには相当な努力が必要そうです。

 

次回は、フリーエージェントを支えるプラットフォームの具体案について書きます。

 

 

これらの思想はドラッカーやダニエル・ピンク、ジャック・アタリの本が参考になります。
彼らに関しては、10年ほど前からこの思想を日本に対しても提言していたことが興味深いです。

後編はコチラ

 

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「起業のファイナンス」@isologue さんセミナーまとめ #ceocfo

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僕らの経営する株式会社ハロの今後の計画を考えるため、

磯崎さん(@isologue)の「起業のファイナンス」セミナーに行ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考までに、現状、ハロは資本金850万円、経営陣で株式を100%保持しています。

キャッシュフローの安定化のために、一部借入れは行っており、毎月返済している状況、変則で4期目となる今期は黒字の見通しがついています。事業内容はソーシャルアドのプラットフォーム運営、ソーシャルメディアマーケティング支援。

現在、資金を調達してドライブをかけるべきか、このままいって独自のスタンスを取るか、方向性を模索中です。

 

■本セミナーの問題意識とサマリー

・日本の起業資金環境は決して悪くはない

livedoor事件後に悪化、という話もあるが、決してそうではない。

ビジネスプランによる。

 

・「最初の間違い」ほど後で修正が困難

特にファイナンス面。

上場前になると、教えてくれる監査法人とかはある。でも、肝心の起業当時にアドバイスをくれる人は少ない。

 

・「アメリカのやり方」そのままでいいか?

事例の参照はよいが、鵜呑みにしてはいけない。日本の、そして自分のおかれた環境を考えたファイナンスが必要。

 

■投資の現状

<日本>

2006/4−2007/3 2790億円・2774件

2009/4−2010/3 875億円・991件

1000億円/年を割る状況

<US>

は2008のリーマンショック以降、復活。

2兆円/年はある。

 

■日本におけるファイナンスのポイント

・重要なのはファイナンスされている全体量ではない。

・自分の事業には、いくら資金調達が必要かが問題

100万円?〜1000億円?

→1000万円〜1億円なら、全体の供給量なんて関係ない。自分の事業がイケているかどうか。

 

■ベンチャーファイナンスの歴史

90年代後半に証券ビッグバン(USは1975年)

→新規上場のハードル低下(それまでは、アーリーステージの投資は事実上存在しなかった)

ベンチャー企業の不祥事もあった。

まだ、自由化後の経験は10年しかない。

 

■生態系が重要

日本の生態系は確実に厚みを増している。

・上場、バイアウト経験者。

・ベンチャー企業勤務経験者

・支援する投資家、専門家

・志望者

これらが連鎖反応あり、2degreesくらいの知り合いでつながっている。

300万件の成功例は不要。10件でいい。

 

■負債(デット)と資本(エクイティ)

リスクのあることは、エクイティで調達

銀行借入ではリスクは負えない(逆に、リスクが少ない事業ならデットでもよい)

USではstartupは基本的にエクイティ(ただしConvertible noteなどは利用される)

10年前までは、銀行借入が常識。それ以降は、株式で返さなくて良いお金で調達する手段が現れた。

 

■投資家は儲かりそうな」案件に資金を出す

・「投資家が」儲かりそうな案件

基本的には、会社が大成功すればみんなハッピー。しかし、ホームランだけではなく、一塁打もある。

→バイアウトのケースなど

 

・あなたの事業は、「(投資家が)儲かるのか?」

将来、どのくらいの利益が出る?

企業価値=時価総額はどのくらいを目指す?

→1億円調達して、何%を保持する?を考えること。

 

・それを説明できるか?

VCが理解できないのは、説明力不足では?

社長が説明するのでもいいし、「いいCFO」がいるとGood.

→投資家がわかる言葉で価値を説明しよう。

 

■投資家はあなたを何で判断するか?

・決まった見分け方はない

・合理的に儲かりそうな可能性があるのは、前提中の前提。

→あなたがそれを実現できるかは別。

・投資家が何を面白いと思うかは「人それぞれ」 (銀行の人はある程度パターン化できる。返済計画など)

・成功させる方法はあるかも。

→シリコンバレーのベンチャーは再現性がある

・ベンチャービジネスは和製英語。ベンチャーするのは投資家の方だ。

 

■ベンチャーと「失敗」

・ベンチャーは100%失敗する。 byNTVP村口さん

事業計画通りいったベンチャーは見たことない。

それが悪いわけではなく、flexibilityが大事。Pivotをうまくやる。

・失敗を防ぐ方法はない

・失敗をしたときに「とんでもないこと」にならない方法はある

・借入や、その個人保証をしない

→借入している場合は、投資した分をその返済に使われるのでは、と投資家は考える場合がある。

・株式の買取保証をしない(おおっぴらにはやらないと言っていても、投資契約についている場合がある)

・個人破産をするのはNG

・知識をしっかり入れる

・信用が大事。★失敗してもコミュニティでの信用が残る。(信用を失うような失敗の仕方はしないこと。約束を果たせないこと)

これまでは、デット中心だったため、「失敗=誰かに迷惑をかける」だったため、約束を果たせないことが多かった。

エクイティの場合は、成功したら分配、失敗してもリトライ、となる。

まあ、成功すれば関係ないのですが。

 

 

日米比較をしてみます。

 

■米国ベンチャーの公開前資金調達額

Google 1,000百万ドル。

Linkedin 129百万ドル。

Groupon 1,376百万ドル。

Zynga 974百万ドル。 =日本全体の年間の資金調達額。

 

■日本ベンチャーの公開前資金調達額

楽天 4.45億円 →時価総額1兆円

DeNA 30億円 →時価総額6000億円

mixi 9,840万円 →460億円

GREE 4.8億円 →時価総額5000億円

 

→巨額の調達ができないのもあって、早期に利益を出すモデルになっている場合が多い。

「DeNAは自分で稼いだお金をせっせと貯めて事業を作った。GREEも同様。

一方米Zyngaはお金を稼がずにエクイティ調達で事業を作っている。

アメリカは『利益を出すよりも先にやることがあるだろう』という考え方だが、日本は堅実に少ない投資で稼ぐ」

 

比較してみると、日本には非常においしい案件が転がっている。

 

■事業計画と事業価値、資本政策の関係

・財務諸表 PL、CS、BS

・資本政策表をつくる

1年後:VCに33%渡して、1億円を調達

2年後:さらに時価総額を上げて調達。

3年後:上場

最終的な持分を検討すること。

 

・創業者の持ち株比率

ケースバイケース。

 

■単純なシリコンバレー信奉は危ない

・USとは資本市場の厚みが違う。

・USでは創業者は10%ほどしか持っていない。

創業者でないとできない事業か、そうでないか?

Googleを始めとするdual classの例。創業者が事実上全権を握っている。

→日本の場合は、USと比較して、高めの比率を持たないと、という面も。

 

■日本の状況に即した資本政策

・カネさえあれば成長できるか?

サーバーなど、投資は限られる。つまり、お金のかかるのは人やプロモーション。

雇用の流動性が低い、解雇規制がある。

→日本でそんなに急速に「人」が集まるのか?

 

・ソーシャルグラフや信用の形成が大事。

 

■参考に、各社の社長の持ち株比率

楽天:クリムゾン、三木谷夫妻 61.89→44.75%

DeNA:南場さん 18.72→14.35%(安定株主入れて30%ちょい)

mixi:笠原さん 62.75→57.88%

GREE:田中さん 62.40→49.30%

ある程度持っていた方が、議決権を持って、経営に集中できるのでは。

(対して、社長の持ち株比率が1%を切っている会社もあるから、マストではないが)

 

続きはこの本で(笑)

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

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A:「ありえないっすよ!」と言えるように。

飲んでも、成功すれば問題ない。実際に行使されたケースはあまり聞かない。

 

 

※パネルディスカッションにて

■巨額の資金調達 を実施するためには

数千万円〜数億円のファイナンスを意識するキッカケは?

ノボットの事例:

「Smartphoneは絶対伸びる」と前のめりに。伸びる市場でやることが大事。

毎週サムライインキュベートとのMTGを2年半続ける。広告周りは榊原さんの強みでもあった。

CFOが最初からいたのが強かった。(お金はかかるが、当初からCFOを入れた所がポイントでもあった)

 

クララオンライン:

スギ薬局の会長など、個人ベースで資金を調達してきた。最初は18歳で銀行からは借りれず。21歳から銀行借入れを実施。

2006年に方針を転換して、拡大する路線へ。インフラをやるという、重たい事業でもあるため。

 

コミュニティファクトリー:

自分の強みがないと市場価値がない。だから、強みであるSNSを深堀りしていったら、誰にも負けなくなり、好きになるスパイラルになった。そこからソーシャルどっぷりに。時代の潮目に合っていて、ちょっとだけ先であることが大事。

今ならSmartphoneだけど、巨額の調達か、というと今ではないかも。

自分の好きな分野で、やりたい事業について、投資家がわかっているとは限らない。だから、そのタイミングがマッチした時が大事。

 

mixi:

mixiアプリをリリースするときも、そのタイミングではVCの方は理解していなかった。だから、自分たちでリスクを取り、mixiファンドを作った。

リードVCをどう選ぶかはベンチャーにとって非常に大事。

例えば、コミュニティファクトリーへmixiが入れるときは、買取請求権は入れていない。しかし、他VCは買取請求権を求めてきたケースがあった。そこで、リードVCをであるmixiファンドがコントロールした。

PLだけでなく、ユーザー数や、ソーシャルの体験をどうリッチにしたかもKPIとして見ている。

(これは事業を理解できる方がリードVCであることならではと思う)

 

サムライインキュベート:

契約書は結ばない。「投資契約書を見た瞬間に、テンションが下がるケースがある」→メールで!!!

それだけ、Startupの気持ちを楽にしてあげたい。気持よくスタートしてもらう。

毎週会う。

 

■資金調達その後

事業転換(Pivot)を考えたタイミングはあるか?事業計画とのギャップに対してどう考えているか?

クララオンライン:

自社の提供するサービスと、市場価格の下落スピードに違いがあった。株主と話し合った結果、思い入れのある事業を切り離すことに。

 

mixi:

当初、Findjobで上場を考えていた。(証券会社も別の所で計画)mixiは、「出会い系」と言われていたので、上場はできないと考えていた。

しかし、別の証券会社にいた小泉さんが、ユーザー30万人、利益ゼロで200億円で上場できるのでは、という計画を立てた。(結果的には1000億円で上場)

mixi的には、マネタイズを遅らせたいとは思っていた。SNSがコミュニケーションのプラットフォームになり得るという想いがあった。(今のFacebookの状況と似ている)

IPOが近づくと、ストックオプションを付与したくなる。が、「ボーナスとして」付与するのではなく「株主」として付与すべき。行使するのに2-5年かかるので、それまでやめない社員もおり、会社のステージが変わるのに不要な人材となり得ることがある。

CFOを入れるタイミング。CEO、CFO、CTOはパートナーであるべき。3者の描く絵のサイズが揃うことが大事。CEOの絵が大きいのに、CFOの絵が小さいとマッチしない。

※証券会社の方はCFOになりたい方も多いですよ。

 

コミュニティファクトリー:

2011年初には、Smartphone半分、ガラケー半分、という計画を立てたが、3月には、全部Smartphoneと転換。

3カ年の事業計画は、決意表明的なものでもある。なるべくこまめに、ステークホルダーとコミュニケーションをとり、舵を切ることが大事。

やっているメンバーが、自分の事業を「やめます」と言い出すのは難しい。だから、経営陣で撤退基準を決めておいたり。

 

 

Q:CFOの探し方は?

A:こうしたイベントでゲットするのがよし!5年目くらいまでの方にとっては夢のプランになり得る。ノボットの場合もそう。

 

■サムライ榊原さんの考える資金調達のポイント

・イベントを主催したり、目立つことが大事

・月に2回プレスリリースを打つ

→市場が盛り上がっている感がでる。日経に載ることなども大事。

 

■イケてるStartupになるために

サムライ榊原さん:

No Action, No Change! 手前の利益ではなく、ドラえもんや、マイノリティリポートのようなものを目指せること。

実はベンチマークはY combinatorではなく、渋沢栄一。しかし、彼はノーベル平和賞を取っていない。だから、とりたい。

政治のプラットフォームや、クリーンテックとか。

儲かるか儲からないか、ではなく。

 

磯崎さん:

起業家の人は、自分はイケてる、とみんな思っている。

投資家からすると、コイツに投資するとリターンがあるな、と考えるのは前提。それを、ファイナンスの言葉で投資家に説明できることを「イケてる」と評価する。

とにかく人を引き込むのが良い。

 

■参考

@kyoneshigeさんがトゥギャってくれてるのでコチラもぜひ!

イケてるベンチャー 投資家を納得させる秘訣とは

※認識違いなどあれば@ossamまでお願いいたします!

 

つまり、大きな絵を描いて、アツくなれ!ということで。

アイデアと、実行力と、仲間があれば、お金は集まる。

自分には、まだそれが足りない、というところも感じました。

機が熟すタイミングを見極め、僕もエンジンかけていきます。

 

※僕のブロードキャスト癖は、ズームインでDや記者の端くれをやっていたことに起因しています。

 

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