月別アーカイブ: 2014年4月

楽器を作るようにアプリをデザインすること

これまでアプリを創ってきた中で、サービスが受け入れられるには一緒にチームを組むデザイナーの存在が僕にとって非常に大きいな、と思ったので一筆。(もちろん企画やプログラムも大事なのですが、アプリだからこそ、よりデザインが大事だと考えています)

ユーザーがアプリを使い続けるかどうかにはいろんな面が関わってくるのですが、僕はとりわけデザインに大きな比重を置いています。というのも、僕が手がける作品は、機能や仕組みが真新しいものではなく、割とマーケットがあるものの、なんかピンとくるプロダクトがないなあ、と思うジャンルが多いからです。その時に一番の違いになるのが、UX設計を含めたデザイン。

例えば、スマホサイトとアプリの利用シーンを比較すると、デザインの重要性が伝わるかと思います。サイトは自分のモノとしては所有してなくて、時々ブラウザで覗きに来る人の部屋、みたいなもの。でも、アプリは、自分でダウンロードして、自分のスマホにインストールされるもの。自分の中に入れるようなものなので、ぱっと見のワクワク感とか、タップのレスポンスとか、スワイプしたときの質感とか、アイコンのかわいさとか、「モノ」としてのよさがすごく重要です。

だから、ほんのすこしの色とか、レイアウトのこだわりとか、細部の感覚的な部分が受け入れられるかどうかを分けているんだと思う。

僕も所謂グロースハックというものを実践したり、それについて講演したりするけど、グロースするためには、ベースに美しいアーキテクチャとデザインが必要だと思ってます。

だから、アプリを創る人は、「モノとしてユーザーが欲しいか、持ち続けたいか、触りたいか」みたいな考えを持つと素敵なんじゃないかな、と思います。よく、楽器は女性を扱うように弾けと言われますが、アプリを創るのは、そんなユーザーが毎日奏でる楽器を生み出すような行為だと思うのです。

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photo by flickr