月別アーカイブ: 2013年3月

iPhoneアプリのアップデートを改悪にしないためにやるべきこと

 

スマホアプリを開発する時って、つい自分中心の視点になってしまいます。最初はユーザー=自分とその友達くらいなのでよいのですが、ユーザーが増えてくると、自分のセンスのみで扱えなくなってきます。

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当然、多様な意見が寄せられるようになるし、レビューや問い合わせの要望は千差万別で、全てを受けることはできません。さらに、実際はその100倍くらいの要望が眠っていると考えるのが自然です。

最初は直感で設計していくことが多いけど、100万インストールを越えたあたりから、「アップデートが改悪になるんじゃないか」という恐怖との戦いになります。

その時に、直感に加えてデータというものが役に立ちます。

例えば、ボケてのアプリにおける2013年1月のデータを見てみましょう。(Appvisorより)

■iOSでの端末シェア

iPhone5 33.3%

iPhone4S 43.4%

iPhone4 14.1%

iPod touch4G 4.4%

iPod touch5G 2.5%

→画面サイズが大きく変わるのは、iPhone5から。すなわち、65%のユーザーはiPhone4サイズの画面で利用している。よって、縦幅の設計は非常に大事。逆に、iPhone5は3ヶ月で3割強のシェアを獲得しているので、今後さらに伸びてくるはず。iPhone5Sの気配もどこかに感じながら。

例えば、自分がiPhone5を使っていると、それに最適化したUIを創りがちになります。縦長の画面を活かして、縦スクロールを存分に活用したクールなUI。でも、実際の利用データを見ていると、iPhone4S, 4以前のユーザーが50%以上を占めているのが現状。

一見、自分にとって最高の体験を求めようとすると退化させるように感じてしまうけど、そこを忘れるとユーザーが一気に離れてしまう。

 

■iOSごとのシェア

お次は、OSのシェア。

これ、一般のユーザーもアップデートしているの?という疑問がありますが、結構してます。ちゃんと使いこなしてるんですね。

iOS6:83.3%

iOS5:16.7%

→iOS6が80%を超えている。

iOS5とiOS6で変化したことといえば、地図アプリやYoutube、Appstoreなどが上げられますが、アプリの製作者として気にかけるのは、

・Facebookのネイティブ連携が可能になった

・Safariからの画像アップロードが可能になった

などの部分が中心になります。

よって、アクティブに使うユーザーほどiOS6の可能性が高いことを考えると、次バージョンからはFacebook連携は、ネイティブでよさそうだ、などがプロデューサーの思考回路となる訳です。

 

正直、100万インストールを越えたあたりから、すべてのユーザーを満足させることが難しくなってくるはずです。それが1,000万人や1億人になれば尚更。iOS6のAppleのマップアプリは誰もが認める酷さだったけど、例えばすごくクールで出来のいいクックパッドのアプリでさえ、前回のアップデートでは「改悪」と言われることもあるくらい。もちろん、最初は反発があっても、次第にユーザーが良さに気づいてくる場合もあると思うので、信念が大切、とも考えられます。

データと実際の一人ひとりからユーザーの環境を考えて、テストを楽しみながらプロダクトづくりをしていけるチームは強いな、と思います。

ああ、アプリでも便利にABテストできる手段が欲しい・・・(だからスマホWEBでテストしてからアプリで実装したりするんだけども)

データばかり見ていると、本来なんでそのサービスを運営しているか見失いがちですが、データはユーザーの声の大きさを表したものでもあります。ユーザーと直接会話できる回数は限られていますが、データで多くの方の声を聞くと、仕事にもやりがいが出てくると思います。

プロダクトはよいものの、データ分析やマーケティング、マネタイズなどを含めたGrowth Hackにおいて課題を抱えるデベロッパーの方、何件かはご相談をお受けすることができます。Contactよりご連絡いただけたら嬉しいです。

 

会社が買収されることはおめでとう、だけじゃないと思う件

 

最近は、知人が会社を売却する際、割とおめでとうと言うことが多いように思う。

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Facebookがインスタグラムを買ったようなBigなディールはさすがにないけど、最近、周りでもYahoo!やらGREEやらmixiやらに会社を買ってもらって、おめでとう、みたいな。もちろんスタートアップのExitとして一つ結果を出し、投資家にも報いたことになるので、おめでとうなんだけど。

でも、会社をやっている側にはいろんな葛藤があるんじゃないかな、と思ってます。

一昔前は会社が買収されると、なんてこった、みたいに言う風潮があったと思う。やむを得ず株式を売った、的な。メディアが伝える「買収」のイメージがよくなかったのもあるけど、前職のオプトでも電通にかなりの量の株式を渡した時、日経新聞をはじめ、多くのメディアが「電通の軍門に下った」みたいな表現で報道した。(当時の経営陣にはそんなつもりはなくて、ナショナルクライアントの広告費を共に獲得しにいく、という目的があったはず。もちろん、単体でそれが出来ないから組んだんだろうけど。)さらにちょっと前は、ホリエモン周りで「買収」というワードが下品に踊っていた気がする。

そんな「買収」の悪いイメージが少なくともこの業界ではなくなりつつあり、むしろ本来の前向きな意味に取られるようになったのはすごくよいことだと思う。

しかし、ちょっと前向きすぎやしないか?

もちろん、会社や事業、人という最大のプロダクトを高値(大抵は)で買ってもらえる=取引が成立する、のだから、おめでとうではある。そして、株を保有している創業メンバーや投資家、もしくはストックオプションを持っている社員には割と大きなお金が入る。その事業やメンバーは売却先で活躍して、シナジーを産み、世の中により大きな価値をもたらす。いろんな事を考えてみたら、当然いいことだ。(もちろん、人材を得ることが目的の買収も多そうだからなんともいえないけど)

でも、創業者やその事業に本気で取り組んでいたメンバーには、ちょっとした寂しさがあるんじゃないかな、と思います。

実際は、

・ユーザーは得たけど、マネタイズの手段が到底見えそうにない

・次のラウンドで資金調達することが出来なくて、事業を続けられそうにない

・もう、情熱が無くなってしまった

なんて、無念な出来事が沢山あって、売却という手を選ぶ場合も多いと思う。いつかは自分の手を離れると考えていた場合でさえ、それが早すぎたり、スケールしきれなかったり、とか。誰だって愛着のある事業はいつまでもやっていたいし、ユーザーにも、メンバーにも、もちろん会社という箱にも自分の手の届くところにいて欲しい、と思うんじゃないだろうか。

僕は会社をまるごと売却した経験はないけれど、一つの事業が、昨年、ハロを去っていきました。もともと韓国の企業と始めたパートナー事業ではあるけど、日本でゼロからサービスを立ち上げて、アプリのユーザーも100万人を超え、売上もしっかり立っていた中での運営移管。

正直自分たちで事業を続けていたかったから、最初はそのつもりはなかった。しかし、後から考えると、成長のキードライバーとして、資本力や全体のパワーが必要なフェーズに来ていたのかもしれない。いわゆる資本を投入して、さらに勝負をかけないと競合にやられてしまうフェーズである。理論的にはよい気がするんだけど、これまでサービスを利用してくれたユーザーや、この事業のために入社してくれたメンバーのことを考えると、簡単には割り切れない問題。

この事業の移管が正式に決まった時、渋谷から歩いて帰りながら、涙がでてきた。

一区切りついたからなのか、自分の不甲斐なさへなのか、パートナー、そしてメンバーへの思いなのか、サービスを使ってくれたユーザーの顔なのか、この事業に関する色んな思いが混じっていた。多分、仕事で泣いたのはこの時限りだと思う。

事業一つでさえそうなんだから、会社まるごとなんていったら、かなりの喪失感を抱えることになるんだろうなと思う。会社と事業が無くなってしまったら、次の日からはお金(と実績)だけが残って、次に何かを始めるまでなんでもない人になってしまうのだから。

あれから半年経ちまして、新たな事業を同じメンバーでできているのは、幸せだな、とも思うのです。

色んな考え方があるけれど、その裏にはいろんな事情があることを察して、次のステップに進む人には声をかけたいな、と思うのです。

 

オモロキ取締役CSOに就任しました。

このたび、イセオサムは株式会社オモロキの取締役CSOに就任しました。

オモロキ

 

 

昨年初夏よりアプリ化プロジェクトを一緒にやってきた「ボケて(bokete)」の運営元、オモロキという会社は、日テレ同期のかまだんご達が立ち上げた会社です。boketeは2008年の立ち上げ当初からあって、昨年アプリ化するにあたり(こちらの記事参照)、会社の枠など関係なく一緒にやれたらいいね、という話が発展して、ジョインすることにしました。

役割は、取締役CSO(最高戦略責任者)になります。

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アプリのスケールにはboketeというサービス自体の成長が必要であることから、HALOとしてはアプリのディレクション、オモロキではサービス全般のマーケティングやマネタイズ、外部との提携などを含めた事業戦略面を担当します。最近流行りつつある言葉だとGrowth Hacker的なポジションを意識しています。

オモロキのスタイルは、プロジェクトベース、全員社長、コミュニケーションはほぼオンライン、など21世紀型です。それぞれ別の顔を持ったCEOの鎌田さん、CTOのゆーすけべーさん、CIOのつよしさんと4人で、サービスを運営していきます。

もちろん、僕自身はこれまで通りHALOとしての活動も継続します。二足のわらじスタイルを理解してくれた矢野、中林、ハロメンバーのみんなにも感謝。

今後はより一層、「ボケて(bokete)」で世界に笑いを広げられるよう、そして21世紀型のはたらき方を実践し、広めることができるよう、活動していきます。

2013年の割と大きな発表、第1弾でした。

 

株式会社ハロ Co-Founder 取締役 COO

株式会社オモロキ 取締役CSO

イセオサム

ベトナム訪問で感じた日本とのギャップ 〜HALO ASIA設立にあたり〜

 

3/4-7までハロの役員陣でベトナムへ行って参りました。羽田から飛行機に乗り、香港乗り継ぎで8時間ほど、アジアとは言え、なかなかの長旅です。(矢野は前乗りしており、すでにベトナム人と化していました)

今回の目的は二つ。

・HALO ASIA設立に当たって、現地立ち上げメンバーの採用面接

・ベトナムがマーケットとしてどのタイミングでフィーバーするか、実地調査

オフショアをやるには実績もあってやりやすそうで、マーケットとしてはもうちょっと時間かかるな、という感触でした。

1.現地での採用活動

現地では採用面接をする傍ら、ブレイブソフトさん、バイタリフィさん、エボラブルアジアさん、グレイトフルデイズさん、medibaさんなど、すでに良い感じで成長している日経企業の方々に実際の話を聞いたり、オフィスを見せていただいたりしました。国が違えばモチベーションやマネジメント方法も違う。みなさん工夫されているようです。もちろん、撤退している企業もあるのでその要因なども聞きつつ。

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※写真は矢吹さん、まさかの孫さんたちと。なぜか僕だけ光が当たっています。

エンジニアの人件費相場は日本と比較して圧倒的に安い。PHPなどに関しては、スキルの高い方もいそう。iOS, androidなどは、いかんせん実機が普及していないので、プログラムは書けてもUXまで考える体験を持っている方は非常にレア。企画やデザインも、おそらく厳しそう。

現地の方もおっしゃってましたが、若いころからのコンテンツ体験が少ないことがアジアの急激に伸びている国の特徴で、僕らが日常接しているマンガやアニメ、ゲームでさえも触ったことがない人もいる状況。その中で、ゼロから企画して、ゲームやサービスを創りだすのはかなりハードルが高いようです。

逆に僕ら日本人はガラケー世代からモバイル端末に触れているので、その部分で圧倒的なユーザーとしてのアドバンテージがあるとも言えそうです。ゲームなんて、ほとんどの人がプレイしたことありますし。

2.マーケットとしてのベトナム

こちら、人口8,000万人以上、平均年令27歳、ここから20年くらい、圧倒的に希望がもてる人口構成です。日本の平均年齢が45歳、会社に入っても、40代以上が半分以上を占めるという新入社員の気持ちを考えると、圧倒的にワクワクします。第一印象は、バイクの音と、クラクションと若者の人口爆発が活気を生み出しているんじゃないか、ということ。道路一面バイクです。

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物価は安く、フォーはヘルシー。ある意味住みやすい国だと感じました。(4日間いる分には)

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一方、アッパークラスはこれでもか、というくらいラグジュアリー。写真はビルの屋上のBAR。オープンエアで、DJが音楽鳴らしてます。みんなiPhone持ってるし、Facebook使ってるし、どこの国でも変わらない光景でした。

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そんな中、LINEさんはしっかりスマホでプロモーション打って、シェアを取りに来てます。なんて書いてあるかは全く読めないけど、さすがっす。

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3.日本を目指すベトナム人

無料で日本語や日本文化と技術を教える専門学校を見学させてもらいました。例えば農村部の、年収10万円ちょっとの子たちが日本にきて製造業で働けば、貧困層から抜け出せる。日本で300万円稼いで、仕送りして、家族も幸せに。生徒さんたちの目は輝いていて、未来への希望を感じました。

逆に、日本では仕事はある。コンビニバイトでも時給1000円もらえる。しかし、これ以上よくなることもないし、自分がスキルを上げる必要もないと感じる人も多い。だから、未来への期待が少ないと感じてしまう人がおおい。

それぞれの国で、分断された層の課題を感じました。

これから会社を設立するにあたり、僕らが彼らと働くことで得られるものは、自分たちが当たり前だと思ってたことが、そうではない、という事を再発見することかもしれないな、と考えています。

ベトナムでは、「日本ではこれで上手く行ったから」「こうしたら幸せだ」と、日本人の都合のよいようにやってないだろうか?

何十年か前の成功体験をそのまま移植することが、この国のためになっているだろうか?

製造業では成り立っていたルールが、僕らのソフトウェア産業では既に変わっているのではないか?

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我々ならではのやり方はなんだろうか?

ベトナムはあったかいし、気候もよく、人もいい。僕らが現地で会社をやるのであれば、日本のスタイルの後追いではなく、ベトナム人が、独自の進化を遂げられるような場所になったらいいな。

現地には矢野が4月から住む予定なので、ほぼ全部任せます〜。日本チームの企画、デザインと、ベトナムチームのプログラムがシナジーを産み、オモシロイチームになるか、2013年のトライです。

 

※写真は帰国前のホテルリバーサイドの窓から、サイゴン川を眺めて。

 

LINE式、計画じゃなく予測で動くはたらき方を考える

 

1ヶ月くらい前のエントリーですが、ふとLINEの森川さんのブログ「事業計画」を思い出して考えたこと。「事業計画は立てない」という言葉が注目を集めているようですが、その本質について考えてみたいと思います。

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〜引用〜

最近取材を受ける度に今後の事業計画がないことについて驚かれるのですが、それは別にいい加減な会社ということではなく
・今はさほど必要ではない。上場企業ではないので細かく事業進捗を追いかける必要がない。
・作っても変更しなくてはいけないほど変化が早いので無駄な作業になってしまう。

という2つの理由があります。

そもそも事業計画を作る目的は資金ショートがないように注意深く見守ることと社内的に事業目標を達成するマイルストーンとして主に管理面で使われるものだと思っています。我が社も以前は細かく作っていました。

※写真はAppbankさんLINEカンファレンスの記事より引用

僕がNHN Japanを外から見ていて感じるのが、「デカイのに速い」という印象。事業のスケールも大きければ、打ち手の方法、タイミング全てが的確。計画はガッチリたてるわけじゃないけど、大量のオプションを持った予測はしていて、臨機応変に対応しているんだと思う。

確かに、上場していて、四半期で決算を出す必要があったり、外部から資金を調達していて株主に緻密な報告をする必要がある(逆に、報告が義務になってしまっている)状況であれば、計画が自分を縛り付けてしまうこともあるかもしれない。みんながみんな経営陣を信頼して、長期で考えてくれるステークホルダーというわけではないので、計画と、それへのコミットを期待されてしまうのは当然でもある。

逆に、Yahoo!、DeNA、GREE、サイバーエージェントとは異なる「上場していない」点を最大限に活かした「スピード」と「朝令暮改がやりやすい」点を最大限活かしているのがNHNさんなのかなと。

僕が理想だと考えるスタイルの会社

僕の人生も割とノープランだと言われがちですが、「計画を立てない」と聞いて、僕が真っ先に思い出したのは、この本。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

Ruby on Railsのフレームワークを創った37Signals

初版を最初に読んだのは3年前の2010年で、今でもすごく好きな本なんですが、その中で響いたのが、「計画は予想に過ぎない」という言葉。

〜引用〜

長期のビジネスプランは幻想、占いの世界だ。マーケットの状況、競合他社、顧客、経済などの手におえない沢山の要素があるのに、計画を作っただけで、実際には制御できないものをコントロールした気になる。

計画ではなく予想とよんだらどうだろう?ビジネスプランをビジネス予想、財務プランを財務予想、戦略プランを戦略予想と名前を変えてみよう。気を揉んだりストレスに感じる必要はない。

僕の経験だと、去年のスマホアプリ事業「アドラッテ」の日本市場での展開では、きっちり一年分の事業計画を立ててスタートした。2011年の10月から、2012年の9月分までの売上目標をカッチリつくり、それをチームで達成すべく追っていく予定だった。しかし、そうすると、計画を上回ってる時は安心して目標を見失い、下回っているときはただただ数字に追われる。勝っているときはいいけど、そうじゃないときはあんまり楽しくない。だから、「必達」ムードは出さず、刻々と変化する市場の状況に対応して、取りこぼしだけはないように進めていった。

※逆に、「計画」がガチガチだったら多少無理してでも達成させていったのかも知れないけど。

結果的に良い感じで市場シェアを確保でき、ポジションとしてはGoodだった。でも、10月以降の計画は立てられていなかった。 偶然か、必然か、8月末に急に事業の運営を譲渡するという話が持ち上がり、その計画は9月で急遽変更することになった。 正直、事業譲渡に関しては計画外だったので社内は非常にバタバタしたが、以降の計画がない分、そこに固執せずに手放し、新たな事業へシフトすることができたんだと思う。実際はホントに大変だったけど。

※【業界の人向け補足】ノンSDKの単体リワードメディアをあのタイミングで手放すことは、普通に考えるともったいないと言われることもあった。外部からの不可抗力があったとは言え、当時、ネイティブアプリのプロモーション手法としては最強に近かったからだ。しかし、重複排除のためSDK導入が逆にメリットを発揮しだす2013年の流れを考えると、あのタイミングでの事業シフト、しかも1ヶ月もない状況での判断は、素敵なジャッジでもあったと思う。それは、僕らが計画に縛られず、ある意味流れに乗りながら動いたからでもあると思う。

「計画」のつまらなさと、「予測」のワクワク感

ちなみに、本質的には面白く無い「計画」をたてると、途端につまらなくなる。ワクワクしなくなる。やることが全て見えてしまっていると、義務感だけが残ってしまう。

そんなものは、卒業したいと思った。

「計画」じゃなくて、「予測」と考えることで、日々、楽しく仕事ができるんじゃないかな、と考えている。予測だから、当たったら嬉しいし、ちょっと外れたら、すぐに軌道修正すればいい。全然駄目だったら、やりなおせばいい。

彼らは計画を立てていないんじゃなくて、計画と呼んでないだけで、未来を予測しながら走っているんだと思う。そして、その予測力と、変化への対応力は正直すごい。

いずれにしろ、「小さなチーム」でもないLINE(NHN)が、このスピードで事業を展開しているのは事実であり、中身を覗いてみたいと思うのです。