月別アーカイブ: 2013年7月

それでも僕がローカライズする理由 〜第4回ロックスクリーン戦争〜

ローカライズって結構大変です。

昨年、アドラッテを初めて韓国からローカライズして、数ヶ月で100万インストールのメディアに育てました。広告主にもよい評価を頂、事業としても割と大きな売上が立ち、その後事業譲渡。 あっという間の出来事でしたが、非常にエキサイティングだった反面、辛い局面もありました。

  • 言葉の壁
  • 目指すサービスの方向性の食い違い
  • 開発スピードのロス
  • お互いのエゴ
  • コミュニケーションの問題 etc…

一見順調に進んでいた事業ではありますが、普段顔をあわせないために相手の考えが分からなかったり、スレ違いが起こったり、競合企業の介入や、メンバーの引き抜きなど信じられないような「事件」がいくつも起こりました。結果的に1年契約で、パートナーシップは解消したのですが、先日提携先のCEOが日本に来た時に一杯飲んだりと、僕にとっては大切な経験と、海外スタートアップの友人が残ることになりました。

なぜ、ローカライズなのか?

この話を人にすると、なぜ自社だけでやらないのか?パクって同じ物を作ったら良いんじゃないか?と言われます。もちろん、その方法もありますし、今はどちらかと言うと後発でパクって資本力で捲る「コピーキャット」スタイルを取るのが正解とさえも言われます。

しかし、僕は今回、『ロックジョイ』を再びローカライズすることにしました。

きっかけは、韓国から一本の電話を頂いたことでした。正直、もうローカライズはコリゴリだ、と思っていたので、当初はお断りするつもりでした。しかし、彼らが実際に日本に来て、話をするに連れ、会社は関係なく、同じチームで仕事ができたら素敵だな、と考えが変わって行きました。

僕の中でローカライズと言えば、印象的な方がいます。ちょうど1年半前にタリーズジャパン創業者の松田公太さん(現在はみんなの党議員)とエアロスミスのライブに行った時に言ってくださった言葉が印象に残っています。

「ローカライズは、ビジネスを広めるだけじゃなくて、文化を広めるってことなんだ。」

彼の場合は、シアトルで生まれたスペシャリティコーヒーの文化を、日本に広めるという使命を感じていたとのこと。松田さんの著書「すべては一杯のコーヒーから」にもありますが、たとえ同じような事業をやるにも、自分がやる意義を考えることが重要だと思うようになりました。

  • 僕らの場合、たまたま韓国から新卒を3人採用した。
  • その後、たまたま韓国へ行き、アップディスコとの出会いによって、ローカライズ事業を始めることができた。
  • ローカライズしたメディアは一定の成功を収め、メディア運営ノウハウを蓄積することができた。
  • 結果的に事業は譲渡したが、その実績をもとに、新たな企業がハロに電話を一本かけてくれた。
  • 協業のオファーは、スマホのロック画面に広告を出すという、その時まだ僕が持っていないアイデアだった。

この出会いは、これまでのすべての人の縁がつないでくれたものです。だから、事業として形にしたいと思いました。これは、僕らに与えられた使命かもしれないから、やってみるのです。ロックジョイユーザーと広告主が日本で広がるたび、韓国で生まれたロックスクリーン文化を日本で伝えるという、交流が起こっているということを日々考えています。

 

ロックジョイはこのアプリです。

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iOS:https://itunes.apple.com/jp/app/lagjoi-lockjoy/id656698242

android: https://play.google.com/store/apps/details?id=com.buzzvil.lockjoy

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ヒマなPVは忙しいPVに勝る 〜第3回ロックスクリーン戦争〜

僕が普段メディアを運営する際に、心がけている言葉があります。

それは、「ヒマなPVと忙しいPV」です。

ユーザーの行動を分析するときもそうですし、広告枠の設計をするときも同様です。

一般には、ユーザーを下記2つの視点から捉えて分析することが多いのではないでしょうか。

  • 年齢、性別、地域などのデモグラフィックに基づくデータ
  • 興味関心を反映するインタレストに基づくデータ

この2つは、広告主も、アドテクのプレイヤーも、データを集積することで捉えられるものだと思います。更に、ブラウザの閲覧履歴のデータなどがあれば、より高度なマッチングができます。最近のリターゲティング広告とかユーザーの追跡がすごいですよね。また、facebook広告などは非常に高度にターゲティングされた広告だと言えると思います。

ただ、一つ抜けている視点があって、僕はその要素がなにより大切だと考えています。それは、ユーザーがメディアを見ている時、「ヒマ」かどうか。ここでは、下記のように名づけます。

  • メディアを見ている瞬間の状況を表す、タイミングに基づくデータ

特に、広告メディアを運営する場合は、ユーザーの心に余裕がないとバナーに目を向けてはくれません。よく広告主さんには、◯◯な属性で、こんな人だけにリーチしたい、と言われますが、属性によるターゲティングが必ずしも効果的とは限りません。彼らは、忙しく、広告には目を向けてはくれないからです。

例えば、TVのスポットCMを例に上げると、その番組のターゲットが正しかったとしても、ヒマな人は視聴し、忙しい人ほど録画してスキップしているはずです。

 

ヒマを上手く活用しているな、と思う事例

そんな中、ユーザーの導線上で、ヒマになるタイミングに上手く広告を出している事例もいくつかあります。

・完了画面広告

モバゲーでメッセージを送ったあとの画面や、何かに登録した後の画面など。アクションを完了したユーザーは、一瞬ヒマになります。その選択肢として、次の行動をおすすめする広告です。

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ここには、完了した後にさらに日記を一覧でみるおすすめと、フッターに大きなゲームの広告が出ています。

※nanapiに「Mobage(モバゲー)」で日記を投稿する方法」という記事がたまたまあったのでそこから引用
 

 

 

・Exit広告

例えばアプリだと、ビヨンドさんのBEADなどが代表。アプリを閉じようとした時に出る広告。こちらもアプリを遊び終わって閉じようとしてユーザーにヒマが生まれた時に出る広告です。

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・待っているとき広告

最近話題のアプリ広告では、なめこ栽培キットや、アルパカにいさんの広告設置が秀逸です。

アルパカを倒すと、やることがなくなってしまいます。その間に、広告を見て、アクションをする。ホントに上手く出来てるなあ。

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何もすることがなくなる瞬間がコチラ。

うん、これはもう広告をみてヒマを潰すしかない。。

 

 

 

 

 

 

・待受広告

こちらはロックジョイのiPhone、androidの待受に表示される広告。

スマホは、多い人で1時間に5回も10回も開きますが、大体はヒマなとき。そこに、一つ目の提案として興味のある広告が出てくると、すぐにアクションにつながります。

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以上、ヒマな時間に広告を出そうという、「ヒマなPV、忙しいPV」のお話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試しに使ってみたい方はコチラよりインストールしてくださいませ。

ロックジョイ

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都心の車ライフはカーシェアが良いと思う件

人生、初めての経験を重ねることが大切だと考えているのですが、30歳にもなると、なかなか初めてのことがなくなってきます。そうやってオッサン化していくんだな、というのがすごく自分には嫌で、迷ったらやる精神はまだ死んでないなと思われます。

今年の下半期は車で行動範囲を広げよう、ということで、まずはカーシェアリングを体験してみました。

しかも、せっかく値段も一緒だから好きなMINIに載ってみよう、と車を借りて、先輩と釣りに。多摩川でブラックバスを釣るのは非常に難しく、釣れなかったわけですが楽しい一日となりました。

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きっかけは、先週Blaboの坂田くんと飲んでて、「車を持つといいんじゃないだろうか」と話したこと。

車が必要かそうじゃないかと言えば、都心では必要ないんだけど、持っていたら行動が変わる。ふと、車で出かけたくなる。1時間半も車を飛ばせば、湖や森にいけるのが東京じゃないか。と熱く語られて、そうか、そろそろ購入しようと思ったのです。

そしてその前に、気軽にマイカーの感覚が体験できる、カーシェアリングの話に(彼が今手がけている仕事も近いところにあることもあり)。USではzipcarが当たり前のように使われていて、そこらへんで車を借りて、気軽に返すことができると。じゃあ、まずカーシェアから体験してみようとなりました。

彼も車は持ってないんだけど。

 

カーシェアのよいとこ、イマイチなとこまとめ

便利なところ

  • スマホから予約できて、割とストレスなく使える(性能のいいアプリが出たらなおよし)
  • 意外と安い!(6時間パックで3,900円とか ※Timesの場合)
  • 給油、洗車を含めてメンテが基本的に要らない

不満なところ

  • 最寄りの駐車場までは歩いて行く必要がある(と言っても、都心なら徒歩3分以内には大体ある)
  • 当然ながら、使うときに予約しなきゃいけないし、好きな車が空いてるとは限らない
  • みんなのモノなので、荷物を積みっぱなしにできない

ということで、カーシェアで大方満足してしまいました。

去年はとある先輩に連れられてフェラーリ458に試乗したりもしたけれど(当然買えません)、本当に欲しい物を所有するか、毎週使い倒すか、の場合じゃなければカーシェアを使うことで大きな満足を得られると思います。

プレイヤーとしては、下記2社がメジャーなようです。

タイムズ

駐車場でみんなお世話になってるタイムズさん。僕もこちらを利用しています。都内が強いのが特徴。

カレコ

三井物産グループで、こちらももともと駐車場ベース。相対的に地方で優位性があるようです。

サイトを見てると、どちらも似たような3ヶ月無料キャンペーンなどをやっているので、ここにどうにかスマホのすごくイケてるアプリなどを引っさげて参入するヴェンチャーがあっても面白いのではないでしょうか。

★☆★

新しいことを始めると、世界が広がる。ビジネスでも、新しいサービスを生み出す人が、人の生活に変化を与えてるって思うと素敵ですね。僕も今回の体験で、カーシェアリングはいいなと思ったし、この事業に参入するプレイヤーがどう普及させていくのかを、ユーザーとしての立場で見ることができました。

10年近く仕事をしていると、ビジネススキルやらなんちゃらだけでそれ以上のことはできなくて、やっぱり人間の幅というか、経験というか、そういう地球の一部として素敵な存在であることが必要なんだな、と思うわけです。

 

【第2回】スマホロックスクリーン革命〜スマホ広告の一等地を創るのだ〜

 

先週から始めたスマホのロックスクリーンについての連載、第2回目です。意外と戦争っぽくなっていなかったので、タイトルを「革命」に変更しました。今回は、なぜ僕がスマホの待ち受け画面に惹かれたのかを考えてみました。

【第1回】スマホロックスクリーン戦争 〜5つのプレイヤー&参入大予想〜

「ロックジョイ」のリリース後、僕らは初めてiPhoneの待受け画面に広告を配信しました。アプリやメディアではなく、iPhoneやandroid端末の待受け画面に。これで、ロックジョイをインストールしたユーザーには、スマホを開くたびに、時間に合わせた画像や広告が表示されます。(写真はフジテレビさんのドラマ、ガリレオの広告)

これが、スマホ広告市場において歴史的な一歩になることを祈りながら。

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なぜ、ユーザーにとってスマホの待受け画面が大切なのか?

あなたは、スマホの待受け画面を何と呼んでいますか?

  • 待受画面
  • ロック画面
  • ロックスクリーン etc…

待ち受け画面は、多い人だと1時間に4回も5回も見る、スマホの入り口です。恋人や子供の写真を入れている人もいれば、自分の好きな写真、DLしたおしゃれな画像などなど、カスタマイズしている人は多いはずです。

僕らは、この場所を、ユーザーにとっての「自分だけのメディア」にできたらいいな、と考えました。

折りたたみガラケーのときは「待受」だったものが、折りたたまないスマホになって「ロックする場所」に変化しました。僕らがこの場所に感じているのは、電波や、何かの着信を待ち受けている場所であり、インターネットの世界につながる入り口。

ケータイは、自分専用にカスタマイズするもの。ガラケー時代にはケータイストラップからはじまり、「待受け画面DLサイト」が流行ったり、きせかえケータイが流行ったりしました。それがスマホになってからはスマホケースで外見をカスタマイズしたり、CocoPPaに代表される「中身のきせかえ(アイコン、ホームやロックスクリーン)」が定番化してきました。

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CocoPPa使用例

きっと、設定した画像を表示するだけじゃつまらない。その場所は、時間によって変化したほうが面白い、と考えています。

ちなみに、ロックジョイを設定すると、iPhone、androidの待受が、1時間ごとに変わるようになります。普段はボケてやFlickrの画像などが流れてくるのですが、時折ユーザーに興味のある広告を配信します。これが意外と、楽しかったり。ユーザーは、待受を楽しむだけでなく、広告を見たり、アクションすることでポイントが貰える、というわけです。これまでのリワード広告との違いは、「ポイント稼ぐぞ!」と意識せずに、ユーザーが自然に広告に触れる、ということです。

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待受けはユーザーにとって大切な場所なので、当初は反発もあるかなと予想したのですが、思っていた以上に受け入れられ、非常に嬉しく感じています。

 

なぜ、広告主にとってスマホの待受け画面が一等地と言えるのか?

実際に、リリースしてからすぐにPVが出始め、約10社に広告出稿してもらって、iPhone、androidの待受け広告の強さに驚いています。インプレッション数やCTRの高さも当然のことながら、なにより感じ方がこれまでのメディアとは全く異なります。

もはや、どのメディアに広告を出しているか、ではなくて、「スマホ自体に広告を出している」からです。

iPhoneが日本にきてからちょうど5年が経ちました。しかし、ディスプレイ広告はアドネットワークがほとんどであり、「スマホの大画面、リッチさを活かした広告がほとんどない」という課題を解決しようとするプレイヤーはほとんど現れていないのが現状です。

そこで、今一度、広告主にとってのスマホ広告市場の課題について考えてみます。

<スマホ広告市場の課題>

スマホでは、アドネットワークがメディアの立ち上がり期からあったことにより、メディアとしてのプレミアムがつく「純広告」というものがほとんど売れない状況でした。今年、1,000億円を超えると言われる市場の中で、Googleのリスティングとディスプレイネットワークが半分以上、残りはアドネットワークとリワード広告が少し、純広はごくわずか、という比率だと思います。

CyberZ_スマートフォン広告市場規模予測(広告商品別)-2011年-2017年2-1

※参考

スマートフォン広告市場動向調査を実施、2017年までの想定推移・広告商品別広告費など発表 by サイバーZ

サイバーエージェントの決算から2012年のモバイル広告費を算出したよ by ossam.jp

しかし、電通さんや博報堂さん、ADKさんが抱えているブランド系広告主は、「どのメディアに広告が出るか」を強く気にしています。

Googleを始めとしたアドネットワークの長所は、多くの面に配信し、効率を上げていく運用ができることです。獲得系のクライアントならよいのですが、ブランドを重視する広告主にとっては、impやCTR、CVRだけではなく「どの場所に表示するか」も重要なファクターになるのです。逆に、変なメディアに出ていないか、という点をアドネットワークのリスクとして捉える傾向も残っています。

僕らは、誰もが使う一番の看板である、スマホのロック画面にコンテンツや広告を配信することで、ユーザーを楽しませながら、広告主のニーズを満たしていこうと考えています。ガラケー時代に最強だった、キャリアポータルのトップ面、imenuTOPやezwebTOP、Yahoo!TOPを超える「スマホTOP」という最高のディスプレイ広告市場を創れたらいいな、と。

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革命は、続く。