リスクを取らない広告主たち 〜第5回ロックスクリーン戦争〜

世の中では基本的に、リスクを取ったものにリターンがあると言われます。経営者もきっとそのように言われる方が多いでしょう。

しかし、広告出稿に於いては事情がちょっと違うようです。低リスクで、期待値どおりのリターンが得られる広告商品を好む方が多い。担当者ベースで、コケられないという社風がそうさせているのか、もしくはネット広告の効果が、ほぼすべて獲得(CPAやCPI)で語られているからなのか、理由はいったいどこにあるのでしょう?これを理解しておかないと、広告出稿している人や代理店の仕事は全部システムに取って代わられてしまうと思うので、当たり前のことを確認がてら書いてみようと思います。

僕個人の思いとしては、本来メディアって面白いコンテンツや文化を生み出す場所で、そこに応援するスポンサーがつく、ということをインターネットでも実現したいのです。アドテクの恩恵はもちろん受けているんだけど、それだけがすべてじゃないと思ってます。

 

スマホ広告の購入方法

スマホ広告市場は、アドネットワーク(検索含む)、リワード広告に純広少し、という構成になってます。

CyberZ_スマートフォン広告市場規模予測(広告商品別)-2011年-2017年2-1

 

ここでは、手法ではなく、お金の流れで見てみたいと思います。

というのも、売り方=誰がリスクを取っているか、そのものだからです。

 

1.CPM

1,000インプレッションで100円、みたいな売り方

例:Yahoo!やAmebaのバナーに代表されるもの。大体は、メディアに知名度とボリュームがあって、クライアントが「ココに出したい!」という意思で購入する買い方。

メディアには、インプレッションでお金を支払うため、効果が悪かろうが、リスクは全部クライアントが持つ形になります。テレビ、雑誌、OOHを含め、従来の広告はほとんどこの形式です。

 

2.CPC

1クリックで30円、みたいな売り方。

例:アドネットワークの多くはこの形式。GoogleやYahoo!のリスティング広告も、クリックされて初めてお金が発生する。

メディアには、クリックで支払いが発生するため、適切な場所に広告を掲載し、クリックさせようという意図が働きます。クライアントは、コンバージョンのみを気にすればよい、という形式です。(一部、Criteoなどimpで支払うネットワークもある)

 

3.CPA 、CPI

1会員登録や1購入、1インストールで500円、というような売り方。

例:SmartCなどに代表されるアフィリエイトのネットワークや、Appdriver、MetapsなどのCPIネットワーク。

ユーザーが登録や購入などのアクションを起こして初めてメディアには収益が発生します。クライアントは成果が発生しない限り費用は発生しないので、KPIに合う金額で出しっぱなしにしているクライアントが多い傾向。逆に、メディアは成果が発生しないと収益にならないので、掲載位置やクリエイティブを工夫する場合が多いです。結構タイヘン。

一見すると、CPMはメディア優位、CPAやCPIはクライアント優位、CPCはその間、という感じです。スマホ広告市場では、CPMはほとんどなくて、CPCかCPIが圧倒的になっています。

 

ホントにクライアントはCPCやCPIで買ったほうがお得か?

では、価格100万円の商品を買う時にどっちがお得か?

例えば、アプリのインストールを成果地点として広告枠を買う場合、CPMでの購入、CPCでの購入、CPIでの購入が選べるとしたらどれにしますか?

例1:CPMで買う場合

価格:100万円

imp:100万imp

CTR:2-6%

CL:20,000-60,000

CPC:17-50円 ←ココが支払い

CVR:20%

CPI:85−250円

 

例2:CPCで買う場合

価格:100万円

CL:30,000

CPC:33円 ←ココが支払い

CVR:20%

CPI:165円

 

例3:CPIで買う場合

価格:100万円

インストール:3,333

CPI:300円 ←ココが支払い

 

CTR、CVRを出す自信があれば、CPMで買ったほうがお得です。ここでリスクを取るかどうか。とれれば、2倍も3倍も効率的に枠を購入できるわけです。

無料アプリインストールのハードルってすごく低くて、CVR20%とか割とあり得る数字です。無料会員登録だとよくても5%〜10%とかで、全然違うんですね。ユーザーからすると、タダでアプリを貰えるのと、タダで個人情報を渡すのは雲泥の差。それが、このCVRに現れていると思います。

現在この部分の運用は、PC(ブラウザベース)では割とアドテクが機能しているので、システムで最適化されてきているんだけど、アプリではほとんどテクノロジーが機能していないため、手動で運用することになります。だからこその、リスクテイクができるのが今の市場の面白いところかな、と思ったりしています。

メディアとして広告商品を作るときも同じ視点です。僕は、こちらでリスクを取ったほうが収益が得られる場合は、そのような商品設計をしています。 逆に、メディアは、強気に出て欲しいとも思う。もちろん、それなりのユーザーとインパクトを持った上で。

 

メディアを育てるクライアント、代理店のあり方

メディアに対して成果報酬での支払いばかりやっていると、クライアントにはリスクがない分アタマを使わなくなる。1件1,000円とか払っていれば良いので、担当者としては非常にラク。しかし、その運用のしわ寄せが代理店とメディアに行き、結果的にイケてないプロダクトとプランの中で代理店が運用する結果となり、ユーザー獲得のポテンシャルを縮める結果になっていることを気づいている方も多いのではないでしょうか?気づいてるけど、めんどくさいのと、リスクを取りたくないからそうしているんだと思うけど。

その点電通のテレビ部門とかは優れていると思う。この50年、テレビをメディアとしてここまで大きくしたのは、彼らが「スポンサー」を募って支えてきたからだし、一緒に育ててきたという自負がある。CCIの社長さんのコラムにあった、スマホ普及でメディア収益圧迫を危惧、マスとネット共通の広告指標確立へという考え方はすごく共感。「The Media Growth Partner」として、ってこれからのレップの存在意義として良いと思う。それなりのノウハウがないと難しい思うけど。

最近それを感じるところがあって、僕らが運営するスマホの待受メディア「ロックジョイ」はまだ生まれたばかりのメディアですが、フジテレビさんや富士急ハイランドさん、大手ゲーム企業さん、大手コンビニチェーンなどがこれからの成長に期待して出稿してくれています。実際効果実績も出てきているし、メディアを数字だけでなく、面として見てもらえると、僕らも彼らの期待に応えられるようにメディアを育てていこうと思えるのです。

 

ロックジョイはインプレッションがちゃんと価値になるスマホ広告を目指しています。

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