なぜ、Gunosy(グノシー)に人はイラっとさせられるのか?

あっという間に300万DLを突破したとのウワサのGunosy(グノシー)。「G」のアイコンだったころのユーザーたちとはお別れし、今は国民が使うニュースメディアを目指してスケールし始めています。下記は最近のCI。綺麗ですね。 news_20140410_gunosy

※photo by カナリア

しかし、下記記事を読むとなんか少しだけイラっとくる。すべて正しいことを言っていると思うんだけど、どこかに違和感を感じる部分も。僕が古いだけなのかもしれませんが、メディアを運営する人間として、その点を5つに分けて考えてみたいと思います。

人手には頼らない。すべてのコンテンツはユーザーの行動からロボットが決める―グノシー共同CEO・木村新司氏、福島良典氏に聞く

Gunosy(グノシー)の月次売上は数億円規模に

1.機械 VS 人間の思想

そもそも、機械に上から目線で情報を薦められることを望む人間は少ないのではないでしょうか?情報強者なひとほど、自分で情報とるよ、と。しかし、「地方情弱」という大変失礼な言葉が示すように、過剰なまでになにかをオススメされることを望んでいる人もいる。受動メディアと言われるテレビが未だに強い力を持っているのもその理由です。 今回、そちらをターゲットにしたのは、以前GREEがビジネスSNSからソシャゲ企業に進化したように、企業としてスケールするためには必須の方向性と言えるのかもしれません。

2.クリエイティブの取り入れ方のウマさ

先日実施された「レコメンデーションメイン」から「みんな同じ情報を薄く広く」の展開は成功したと思います。 そして、デザイン変更も賛否両論あるけど、僕の感覚からしたらすごくいい。カナリアの徳田祐司さん(いろはすのデザインなどで有名)のデザインも素晴らしいし、すごく親しみやすくなった。なにより、一流デザイナーが一流である所以は完成度の違いで、毎日使うニュースアプリとしては、このCIの統一感がこれからますます効いてくると思います。僕なんて、「G」のころはアイコンが嫌で使わなかったのに、いまは時々ヒマなとき起動しちゃってます。

3.マネタイズとユーザビリティのニクい両立のさせ方

マネタイズのお話って、結構難しいものです。ユーザーやパートナーがいる中で、自社だけが儲かっているようだとよろしくないし、本当に儲かっていなかったらサービスの存続が心配される。ただ、語ることが良い影響をおよぼすこともあるので、叩かれる事を覚悟でこれが言えちゃうところは強いと思います。

上記のインタビューにあるとおり、売上は既に億単位とのこと。

アプリでメディアをやっている方からすると信じられない数字だと思いますが、下記スーパーざっくりした試算だと割と納得いく数字だと思います。

  • 固めで300万DL
  • MAU率30%(獲得初月を含めるとそれ以上 ※Smartnewsが70%と言っていたので、もっと伸びると思う)
  • MAU約100万人
  • 月売上:2億円(超ざっくり)

すると、ユーザー1人が1ヶ月に200円くらいの収益を産んでくれるんですね。クリック単価が@40円だと、メディア落ち@40円。1人が1ヶ月に5回くらいクリックしてくれれば出る数字です。(ここに、アドネットワークを活用してマネタイズしているメディアと、自社でそれを持っている企業の利益率の差が出ます)

そうすると、3ヶ月〜6ヶ月でユーザー1人が生み出す金額は、600円〜1200円。これなら調達した金額と合わせてある一定量までCM無双ができちゃいます。

ちなみに他メディアで収益率をもっと上げるにはネイティブ広告がカギかなあと思っています。 スマホのメディアで割とよくある数字で1MAU10-50円くらいだから、今の5-10倍は利益率を向上させられる可能性をスマホは秘めてると考えています。ココらへんは木村さんに共感するところ。ゲーム以外の広告主がここからさらに入ってきたら、本当にブレイクしますよ。

4.メディアとのリレーションのウマさ

グノシーのウマイところは、最初は勝手にいろんな記事を集めてきて、一定のロジックをベースにアプリに掲載、トラフィックを各メディアに送る、というもの。「グノシー砲」という言葉があるとおり、この時点ではメディアにとって非常にありがたい存在でした。さらに、「チャンネル」を設けてメディアを公式のパートナーとして迎えていった。これも、なんかウマイです。

ただ、ちょっと前の路線変更で、結構グノシーのほうでメディアが見れちゃう状態になり、その中での激しいマネタイズが始まりました。メディアとしてトラフィックを得れるのでチャンネルに参加したい反面、その目次でマネタイズされちゃうとちょっと切ないんじゃないかな、とも思います。おそらくグノシーネイティブアドの収益が高すぎて、トラフィックを送る前に一番美味しい部分のマネタイズが完了しちゃってる。

今後はメディアにもそれを提供してくれると思うのですが、これもメディアが困ったタイミングできっと手を差し伸べてくれるんじゃないかな、と推測できるからなんかニクいw 結局よいエコシステムが出来上がるんじゃないかな、と思います。

5.若いエリート集団のホワイトさ

アタマのいい人が、アタマのいいやり方をして成功するとイラッとしますよね。普通にやったら凡人には勝てないですから。だから、例えば今の訴求だと東大卒エリートが、上から目線で地方情弱に「このアプリ使うとアタマよくなるよ」あ、でもそれ刺さらないから「雑談力上がるよ」みたいに聞こえちゃうと思うんです。ただ、実際のユーザーにはそこら辺さえも伝わらないからいいのでしょう。

さらに、オフィスもキレイ、場所もいい、みんな8時に帰る。ベンチャーってもっと泥臭いイメージもありますが、割と大人なスタイルです。ビジネスのスケールも大きいし、社会的意義もありそうだし、すぐに儲かってるし、早く帰れるし。通常のスタートアップのイメージの、ビジネスとしての可能性は見えそうで見えなくて、社会的義だけでがんばってて、なかなか儲からなくてカップラーメン食ってて、男子5人くらいでオフィスで徹夜、みたいなイメージと真逆です。

しかも、スタートアップが10億円を一気にCM投下してくれるのってすごく楽しい社会実験ですよね。そこまで振りきれる思い切りのよさも持っているところが、ただのお利口さん集団とは違うところ。CMでも、ウルトラマンでコケたか?と思ったところに超細かい軌道修正いれて、合わせてきているのがすごい。 みんな失敗しながらもチャレンジし続けていて、応援したくなるような人たちです。もし欠点があるとしたら、エリート意識が国民に伝わっちゃったとき、かなと余計なおせっかいをするくらいです。

イラッとするポイントまとめ

まとめてみると、すべてがうますぎてイラっとくるんです。すべて、自分ができてなかったことだから、自分にイラっとくる。そう感じる人が増えるのは、いいことなので、グノシーにはさらに突き抜けて欲しいな、と思います。

僕の場合はもちょっとだけ人力かけないとメディアって面白くないと思っているので、また別軸でメディアづくりをがんばってみようと思います。

あ、流行りの旧メディアからインターネット業界への転職でいうと、僕はテレビでズームインというニュース番組を担当してたので、そろそろお呼びがかかるかな。

ではまた!

※もし事実誤認とかありましたら@ossamまでご連絡くださいませ。

 

川の流れのように生きてみるということ

江戸川大学で講義をさせていただくのも、今年で3回目。毎年、20歳になるかならないかくらいの大学2年生たちに元気を貰っています。

この講義は様々な業界から講師が1コマずつ担当するのですが、僕はインターネット業界の現状と、これから、そしてはたらく、ということについてお話しました。毎年資料をちょっとずつ作り替えているのですが、僕も最初にお話させていただいた29歳から2歳年をとっているので、考え方にも変化がありました。

テーマを考えていたところ、最近美空ひばりさんの「川の流れのように」が身に染みるようになってきたなあ、って。キッカケは、秋元康さんが31歳の時にニューヨークで書いた詞である、とどこかで読んだからなのですが、僕も今31歳になって、共感するものがありました。

20歳の時に友人と初めて会社をつくってから、就職して、転職して、また起業して、会社も3社に増えて、という当時は予想も指定なかった10年がありました。25歳くらいまでは、とにかく起業して、一発当てて上場して、ハワイに住んで、みたいなことを目標から逆算する形で考えていました。だけども、起業して3年で全然スムーズにはいかないし、全ての人がそんなにマッチョじゃないし、と疑問を覚えはじめたのが28歳くらい。そこからは、運と縁を大切にし、世の中のタイミングを読むスタイルに変えていきました。

すると、思いもよらない発見や、成果が出始めました。それは人の縁と、運気の流れのおかげだと思っています。だから、いい流れがあったら乗ってみるのもいいんじゃないかな、と。

というわけで、今回のタイトルはこれに乗じてみました。この曲を知ってる子は半分くらいだったけど。

おそらく、普通の企業を辞めて起業したり、フリーランスになるという考え方は、まだまだアウトローだし、相対的にお得感も少なく見えると思います。でも、それで後悔している人はほとんど見たことない。もちろん、僕もです。何度でもチャレンジできるし、頑張った人ならまた企業で働くことだってできる。

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だから、いろんなサンプルの大人が増えて、子どもたちもロールモデルを見つけやすくすることで、彼ら、彼女らは未来に希望を持ちやすくなるんじゃないかな、と考えています。

見えないからこそ、流されながら考える、というのも一つ。

時代や人の縁、運を大切にしながら、時には川の流れのように、流されてみてもいいんじゃないかな。しっかりもがくことは大切だけども。

今年も貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

楽器を作るようにアプリをデザインすること

これまでアプリを創ってきた中で、サービスが受け入れられるには一緒にチームを組むデザイナーの存在が僕にとって非常に大きいな、と思ったので一筆。(もちろん企画やプログラムも大事なのですが、アプリだからこそ、よりデザインが大事だと考えています)

ユーザーがアプリを使い続けるかどうかにはいろんな面が関わってくるのですが、僕はとりわけデザインに大きな比重を置いています。というのも、僕が手がける作品は、機能や仕組みが真新しいものではなく、割とマーケットがあるものの、なんかピンとくるプロダクトがないなあ、と思うジャンルが多いからです。その時に一番の違いになるのが、UX設計を含めたデザイン。

例えば、スマホサイトとアプリの利用シーンを比較すると、デザインの重要性が伝わるかと思います。サイトは自分のモノとしては所有してなくて、時々ブラウザで覗きに来る人の部屋、みたいなもの。でも、アプリは、自分でダウンロードして、自分のスマホにインストールされるもの。自分の中に入れるようなものなので、ぱっと見のワクワク感とか、タップのレスポンスとか、スワイプしたときの質感とか、アイコンのかわいさとか、「モノ」としてのよさがすごく重要です。

だから、ほんのすこしの色とか、レイアウトのこだわりとか、細部の感覚的な部分が受け入れられるかどうかを分けているんだと思う。

僕も所謂グロースハックというものを実践したり、それについて講演したりするけど、グロースするためには、ベースに美しいアーキテクチャとデザインが必要だと思ってます。

だから、アプリを創る人は、「モノとしてユーザーが欲しいか、持ち続けたいか、触りたいか」みたいな考えを持つと素敵なんじゃないかな、と思います。よく、楽器は女性を扱うように弾けと言われますが、アプリを創るのは、そんなユーザーが毎日奏でる楽器を生み出すような行為だと思うのです。

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photo by flickr

テレビCMを打つという夢

子供のころの自分からすると、自分たちの会社がCMやるって一つの夢を叶えてるのかもなあ、と思います。
IT企業の経営者は普段テレビ見ない人が多いと思うけど、だからこそユーザー獲得の手段としてだけじゃなくて、好きな番組をスポンサードする、という思想を持てたら素敵じゃないでしょうか。
テレビという巨大メディアは、そうやって育てられてきたと思うから。今の大企業や代理店たちから支えられ、ユーザーのための、クオリティの高い番組をつくってきました。
だから、正直、今のアドネットワークに支えられているWebのメディア事業は、少し物足りないと思うこともあります。だからこそ、タイアップ広告や、今で言うネイティブアドの取り組みをはじめています。スポンサーと意見を交わし、面白い広告をつくることがインターネットのメディアが今後繁栄するのに必要なことだと思っているから。
僕も、いつかCMを打つことがあったら、これまでのテレビとスポンサーへの恩返しとしてなにかやってみたいと思っています。

20代のビジョンは30代で上書きされる

31歳になりました。お祝いの言葉をいただいた方々、ありがとうございます。

この10年を生きて、将来のビジョンなんて最初から見えてるわけじゃないんだな、って思いました。僕が20歳になったころ、30歳時点の僕というものは見えていませんでした。ただ、20代のうちに何かで成功して、フェラーリ乗って、ハワイに住んで、アイドルを奥さんに貰って、みたいなイメージを持っては、ただ焦っていました。しかし、現時点でそうなっていないので、この10年で自分が変わったのでしょう。もちろん、変わっていないところもあるけど。

自分が何であるか、何を成し遂げようとしているか、自分のビジョンが見えはじめるタイミングは人それぞれだと思います。それまでにした経験や、思想に裏付けがないと、ビジョンにはならないから。もちろん、小さいころの経験がきっかけで医者や弁護士になったり、ミュージシャンやパティシエになったりする人もいるけど、それはすごく早い方だと思います。就職活動の相談を受けるときも、全員が22,3歳で将来やりたいことを言え、って言われても無理があるのではないでしょうか。まあ、僕も面接官をやるときは聞いてしまうわけだけど。だから、そのとき◯◯がやりたい!というのがなかったとしても、気にしていません。目の前のことを一つ一つ経験していくことで、見えてくるものがあると思うからです。

20歳のときの僕は演劇やりつつ友人とベンチャーを立ちあげ、みんなが受けてるからって受けた日テレ受験の最中にドラマをつくりたいという夢が膨らみ、朝のズームインに配属されてからはこれじゃあ20代で一発成功するのは間に合わない、と1年で飛び出し・・・そこからは、サイバーエージェント藤田さんの『渋谷ではたらく社長の告白』を読んで最短上場記録をつくろう、なんて思っていた記憶があります。小学生のときにモーツァルトの伝記を読んでから、人間は35歳で死んじゃうかもしれないんだ、なんて衝撃を受けて、本当に焦っていた。30歳からが勝負、と言われてもあと5年しかないじゃん、って。

結局、25歳で今のハロを起業、最初の3年は鳴かず飛ばずで、なんとか食っていくのがやっとでした。でも、その中で「自由」「グローバル」「オープンマインド」みたいなワードを掲げて経営陣3人で10個くらいの事業をやってきたら、いろんなものがついてきました。今のオフィスと時間にとらわれないスタイルや、中国のパートナーとの仕事、韓国での新卒採用からのアプリのローカライズ、100万DLとなるヒット、初めてしっかり出せた利益、ベトナム進出、撤退、赤字、日テレで出会った同期とのプロジェクトと新しい仲間、そして300万DLのヒット、世界進出へ。など、頂上からの逆算では見えなかった道がありました。

そんな風に20代の10年を過ごしたのですが、どこかのタイミングで考え方が変わったんですね。確か、iCon『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』いう2005年に出た方のJobsについての本を読んでからだと思います。

頂上からの逆算から、Connecting the Dotsへ。

おそらく、softbank孫さん、GMO熊谷さん、サイバーエージェント藤田さんたちは前者を最短距離で走ろうとしているイメージ。逆に、後者のスティーブ・ジョブズはいろいろ寄り道させられながらも、結果的に大きなことを成し遂げている。たぶん、僕は経営者には本当はあんまり興味なくて、クリエイターへのあこがれのほうが強いんだと思います。その場合、逆算ってそもそもしづらいので、なんだかしっくり来ました。尊敬するプロデューサーや、放送作家、レオナルド・ダ・ビンチなどもおそらく後者なんじゃないかな、と思っています。僕はこのStanfordの卒業生に向けられたスピーチを見て、目の前のことに集中できるようになりました。

You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできないんだ。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けること。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この考えが私を裏切ったことは一度もなく、これが私の人生に大きな違いをもたらしたのだ。

Steve Jobs

もし、この先何をやろう、と悩んでいる20代の方がいたら、目の前のことに一生懸命取り組んでみてください。必ず、道が拓けると思います。それは自分でかもしれないし、誰かが助けてくれるかもしれません。字幕もあるので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。


もし、夢が途中で崩れることもあっても、また新たな夢を見つけること。また、一つの夢が叶うと、これまで見れなかった世界が見えることもあると分かりました。(通過するべきものは目標と言う方が適切かもしれません)これまでプログラムが動くことがなかなか信じられなかった僕が、自分でやってみて動くのを実感したらインターネットをより強く信じられるようになったり。サービスがヒットする感覚が掴めなかった3年間が嘘のように、一つのヒットからコツを掴んだり。

何か一つ、壁をこじ開けることで、見えなかったものが見えてきます。

だから、個々人のビジョンも成長していくものなんだと考えています。最初に立てたビジョンがちっぽけに見えたり、今の自分と違うような気がしたら、それは上書きしていいんじゃないでしょうか。自分も、時代も変わっていくから。僕が登っている山が大きいか、小さいか、意味があるか、ないかはわかりません。それは、人類史がもっと古くなってから誰かが決めるものでしょう。ただ、人生のモデルケースの一つとして、僕らの子供の世代が大人も悪くないよ、って思ってくれたら嬉しいです。

子供のころからすると未知の31歳になりましたが、これからもっと楽しくなりそうな気がしています。それは、もちろん近くにいる仲間のお陰です。いまの僕が持っているビジョンは、「素敵」な人生を送ること。ざっくりしているのですが、仕事や、家族、仲間、身の回りのモノ全てにおいて素敵だなあ、と思えることを積み重ねていきたいと思っています。

僕より若い方たちに、素敵な日々が訪れますように。

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2013年3月18日 沖縄のビーチを望んで。