先日、大企業、ベンチャー以外の21世紀の働き方についてという記事を書きました。
では、具体的にどんな方法があり得るでしょうか?
実現可能かは実験段階ですが、「社会の問題を解決する」のがベンチャーの役割だとしたら、こんなやり方もあるのでは、という案です。
フリーで活動することのメリットは前半に書いた通りですが、デメリットもしっかり認識した上でそれを解決する方法を考えたいと思います。
■フリーエージェントの欠点
一言で言うと、収入が不安定なことにより、短期的な仕事を受ける必要が出てきてしまい、創造性をなくしてしまうことだと想います。(前述の彼の場合は問題ないと思いますが)
仕事が安定しない
収入が安定しない
目先の仕事をこなす上に、事務作業もやる必要がある
本来やりたかった仕事ができない
結果がでない
(繰り返し)
※参考
フリーランスは良いことずくめじゃない–10個の誤解を打ち砕く(CNET)
日本版ITフリーランサーのデメリット
「フリーは、マッチョじゃなきゃできない」的な。
僕の考えるフリーであることのよさ
・個人は自由と自分らしさを保ちながら、仕事に責任を持つ。
・「組織への忠誠」に基礎を置く縦ではなく、「信頼」をベースに横へと張り巡らされた個人的ネットワークで仕事をする
・成功は、各人で定義する。だから、画一的な成功モデルは意味が無い。
参考:『フリーエージェント社会の到来』
しかし、物足りない点として、
「所属するチームがあり、チームで勝つ喜びがあること」
があります。
たとえばサッカーチーム。バルセロナのような世界のエースが集まる名門や、代表チームに所属することが自分の誇りとなるように。
フリーの創造性を活かすためのウイークタイズ(緩めのつながり)
そこで、こんな仕組みがあったらどうかと考えています。
この前ヤン渡邊と話していて出たイメージは、学生の時に所属していた創像工房 in front ofという映画・演劇プロデュース団体。
常時100名ほどが所属し、プロジェクトごとに脚本・演出・役者・音響・照明・舞台・制作などスタッフを集め、公演を行う。通常の劇団であれば年間4,5本が限界だが、プロジェクト単位で動くため、年間10−20本の企画が走る。幹事会と言われる組織により各企画は承認され実施されるため、一定のクオリティの担保、そして顧客データベースの共有などが行われ、シナジーを出している。
そして、組織のブランドが育つことにより、個人が活動しやすくなる。
所属して活動したことがあるOB/OGとしては、俳優の小出恵介、TBSの青木裕子アナ、大江健三郎賞を受賞した岡田利規、演出家の松居大悟(松田翔太・佐々木希主演の『アフロ田中』を監督)など。
これを実現するために、以下、マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」「安全と安定」「所属」までを満たすシステムが作れればと思います。
あとの「承認」はその中で自分の存在感を示し、「自己実現」できる仲間を見つけられるチームであれば、と。
最終的には、この三角形の上部を広げ、四角形に近づく動きができないか、と考えています。
<system>
雇用契約は、フルタイム制と、フリーエージェント制を併用
- フルタイム:月額固定給+ボーナス
- フリーエージェント:ベーシックインカム+成果報酬
フリーエージェントには収入の安定性を確保
- 所属するとベーシックインカムがもらえる(月10万円ほど?)+成果報酬
- 組織のブランドとPRにより、仕事が集まる仕組み
- ワークシェアがうまく機能し、年1回1ヶ月のバカンスが取得できる。
事務処理の軽減
- 会社のアカウントを使用し、10-20%ほどの手数料を落とす
- 経理面の処理、保険、年金など福利厚生を含めたバックオフィス業務を一括で引き受ける(重要ポイント)
<business>
仕事は受託と自社サービスを半々
- 受託:しっかり結果をだしてリピート顧客を創る
- 自社サービス:Labとして自社プロダクトを開発。営業はパートナーにお願いする。
<finance>
プライベートカンパニーでありつつ、リスク分散
外部資本は入れない
株式を公開せずに流動性をもたせる仕組み(メンバー含め)
スケールする事業があれば、人材とともに切り出して別会社化(こちらはStartup的で外部資本も検討)
ちょっと夢のような話ですが、まずは、ベースを創るところまでは可能だと考えています。
課題は、拡大させていく中でこの体制を維持できるかどうか。挑戦です。
一緒に考えてくれる方、募集!