よく、スマホアプリを作るときは、「シンプルに」「単一機能で」と言われます。PCインターネットでは、「なんでもできる」「ない機能は提携で」みたいに言われており、Googleも、Yahoo!も、楽天ほか巨大化するサービスは全て機能拡張に走りました。しかし、なぜPCとスマホで180度考え方が違うのでしょうか?
スマホのホーム画面ってどんな存在?
まず、僕のホーム画面の1.2ページ目をお見せします。※仕事柄、ジャンルは偏っていますが割と一般ユーザーに近いほうかとは思います。
僕がiPhoneをメインで使い始めたのは2009年の、3GSからでした。このあたりからガラケーからスマホへシフトが進み始め、ケータイ開いて、インターネットするにはキャリアポータル
(docomoはimenu, KDDIはau one, softbankはYahoo!ケータイ)へ行っていた時代は終わり、ホームから直接使いたいアプリへ行くのが日常になりました。
よく言われるのは、スマホは「ホーム画面がポータル」だから「ポータルは不要」ということ。
スマホでのユーザー遷移は下記。
- ニュースが見たい!:ロック解除→ホーム→Smart News
- 電車を調べたい!:ロック解除→ホーム→乗換案内
- レシピを探したい!:ロック解除→ホーム→クックパッド
- 検索したい!:ロック解除→ホーム→ブラウザか、androidならそのままホーム
- ちょっとヒマ!:ロック解除→ホーム→ボケて
ここでポータルを挟むと、一手間増えちゃうんですね。
- ニュースが見たい!:ロック解除→ホーム→ポータル→ News
- 電車を調べたい!:ロック解除→ホーム→ポータル→乗換
- レシピを探したい!:ロック解除→ホーム→ポータル→レシピ
- 検索したい!:ロック解除→ホーム→ポータル→検索
- ちょっとヒマ!:ロック解除→ホーム→ポータル→ボケて
なので、アプリは単一機能が好まれるのだと思います。
各カテゴリごとに一つのアプリを。「ポータルになんでも入っているからそれを入れておけば良い」ではなくて、すぐに使うためには「アプリが単体で存在している」ことが大事なのです。
スタートアップ的なアプリのつくり方
もちろん、スタートアップ的な文脈では、「機能をフォーカスせよ!」とか言われますが、スマホアプリに関してはMVPなどというよりは、ユーザーの利用環境の特性からフォーカスすることが必須になるのだと思います。
だから、プレイヤーは本当にカテゴリNo.1戦略が必要になってきます。もしくは、もともとポータルだったサービスは、1階層減らす努力をせざるを得ないのです。ホーム画面の一つ手前のロック画面を彼らが狙うのも理解できます。
例えば、米Yahoo!Inc.はandroid向けホーム画面アプリを提供するAviateを買収していますし、Yahoo!JAPANも韓国のBuzzpiaと提携して「buzzHome」をリリースしたばかりです。
LINEはもともとコミュニケーションレイヤーから抑え、その上にゲームや天気、News、占いなどを単一アプリで提供しているので、戦略的にはドンピシャといえるでしょう。一方、過去の資産に頼ろうとしたAmeba、mobage、GREEなどはポータル的なトラフィックが生きる「スマホWEB」にリソースを投入し、ネイティブシフトが遅れたのではと思います。(もちろんスマホではネイティブと同じく、ブラウザからのスマホWEBがよく使われているのも事実です)
巨人がポータルを抑えているPCと異なり、スマホ、とくにアプリではスタートアップが局所戦で勝ちやすいといえるでしょう。大手を気にせず戦える今のタイミングは、非常に面白いですね^^
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ではまた〜。