HALOという会社を矢野・中林と共同創業して丸3年が経ちました。
本当にあっという間でしたが、沢山のことがありました。 僕なりに気づいたことがあるので振り返ってみます。
2008年〜2011年の振り返り
3年で、転換期は10回以上訪れました。
- 原価のかからない広告代理事業で短期黒字化。
- 開発会社とレベニューシェアでアドネットワーク事業開始。
- 人材募集してないのに応募してきてくれたヤツを採用。
- 中国へのSEMアウトソーシング事業をテスト。
- 韓国行って新卒を現地採用。
- 流行りのソーシャルアプリ参入。すぐ撤退。
- 8人中新卒4人という事態。
- 7ヶ月連続赤字。
- 全員でがむしゃらに営業して危機脱出。
- ソーシャルメディアの企画・制作・運用事業スタート。
- ソーシャルアド事業開始。
- テレビ局への人材派遣開始。
- テレビ×フラッシュマーケティング事業開始。
- ガラケーからソーシャルメディアに主力事業を転換。
- 韓国企業と提携、スマートフォンメディア事業開始。
など。
人員を増やしてみたり、新規事業を始めてみたり、やむなく撤退したり。事業フォーカスの観点からしたら、いろいろやりすぎかもしれません。その結果、やってはいけないことの判別がつくようになる一方、どこを目指すべきか、という軸の必要性を強く感じるようになりました。
周りを見渡すと、同時期、もしくは少し早く起業していたアトランティスの木村さん、ノボットの小林さん、コニットの橋本さん、そして高校の先輩でもあるブロードテイルの紀平さんはそれぞれ完全に事業をフォーカスしてExit。
また、「クラリスの会」と称して、2009年から定期的に起業家セミナーを開催したり、忘年会をしたりと集まっているビヨンドの一谷さん、wanoの野田さん、サイバーXの小柳津さん、エステティクスの齊藤さん、そしてEagleの藤永さん達もそれぞれ素晴らしい成長を遂げています。
一方、3年くらいすると、このまま普通に成長していけば良いんじゃないかという企業もあります。3年で約7割は倒産すると言われているので、もちろん残っていることだけでも素晴らしい事ですが。
僕らが起業した2008年のリーマンショック直後とは違い、最近では若く、優秀(だと思われる)スタートアップが次々と誕生しています。よく聞くフレーズは「世界を変える」ですが、事業を始めるのに良い環境になってきている一方、なぜその事業をやるのか、会社を興すのかをよりしっかり考えさせられることが多くなりました。
理念とビジョンについて
大体会社のホームページには、「理念」や「ビジョン」が並べられています。しかし、それを実現できている会社はごくわずかです。掲げるのは簡単だし、楽しいことですが、それを継続して、体現し続けるのは並大抵のことではないでしょう。
今、特に感じているのはビジョンの重要性です。理念はあるけどビジョンがない。そんな会社が多いのではないでしょうか。
※ここでの理念・ビジョンの定義
理念 = 考え方(企業活動において最優先される考え方のベース)
ビジョン = 夢(将来のあるべき姿)
定義はいろいろありますが、ぼくはこう考えています。
理念が一人ひとりに浸透している会社は、軸がしっかりしています。お付き合いのある会社でもそうだな、と感じる会社が多いですが、どの人にあっても共通する空気があるのです。それは、素晴らしいことだと思います。
しかし、共通のビジョンに向かって走っている会社は、意外と少ないなと感じます。理念はその場に留まっている分には機能しますが、大波がきたり、混沌とした状態になると前に進むための明確なビジョンが必要になります。
そして、明確なビジョン=目指すところがない会社は活力が失われ、メンバーも事業をやる意義を見いだせず、離れていってしまうのでしょう。
ビジョンとは何か
僕はマンガをほとんど読まない子供だったのですが、最近になってONE PIECEを読む機会がありました(本当にいまさらですみません)。
主人公、ルフィのビジョンは「海賊王におれはなる!」 ワクワクするビジョン=夢があって、それに向かって進むこと。そして、そのプロセスを心から楽しむこと。だから、同じ志を持つ仲間が集まってきます。
この3年を振り返ると、仲間が増えたのは目指す方向性があった時代。仲間が減ったのは方向性が分からなくなった時代でした。会社を経営することとは、集めた人をマネジメントするというより、先にビジョンを持って引っ張っていくことだと改めて感じました。3年前にも腐るほど本で読みましたが、やってみるとそういう事だったと思います。
何かを決めるジャッジの場に立たされたときにビジョンは生きてきます。 例えば、「日本はTPP参加すべきか否か」というテーマ。 メリット、デメリットばかりが論じられますが、松田公太さんのブログで気づきました。
問題の本質は、これも民主党の歴代総理に共通することですが、野田総理に「この国をこうしたい」という信念やビジョンが無い事だと思います。 by 松田公太さん
やる、やらないのジャッジがつかないのは、ビジョンが無いからだと。
日本をどうしたいのか。それが描けなければ、リーダー失格。何かやらないことを決めていくような消去法では、前向きな決断はできないのだと。
ビジョンといえばケネディ大統領が有名ですが、やはり、ワクワクしますよね。
「我々は月へ行くという選択をした。60年代が終わるまでに月へ行く」
夢を持つこと
よく、「夢を持て」と言われます。一方、現代は夢を持ちづらい時代だ、とも言われます。例えば就職活動の時に、一生をかけてやりたいものを見つけられている人は1%も存在しないと思います。僕もそうでした。
僕は天才ではないので、がむしゃらでもいいから前に進み、探し続けることが大切なんじゃないか、と考えるようになりました。これは、Steve Jobsも言っています。
時どき人生には頭をレンガで殴られるようなことが起きる。しかし信念を失ってはいけない。私がここまで続けてこられたのは、自分がやってきたことを大好きだったからです。君たちも自分が大好きなことを見つけなければならない。それは仕事も恋愛も同じです。仕事が人生の大きな部分を占めるので、本当に満足を得る唯一の道は、素晴らしいと信じる仕事をやること。素晴らしい仕事をしたければ、大好きなことを仕事にすること。もしまだ見つかっていないなら、探し続けなければならない。とどまっていてはいけない。
例えばハロには、「ハロの機会になる」と言って韓国からきたメンバーがいます。本人は覚えているかどうかわかりませんが、なにか、直感のようなものがあったのでしょう。
もちろん、その時点で何をやるかなんて決まっていないのですが。 不思議なもので、それからちょうど2年後の今、韓国の起業家と日本をつなぐ事業に取り組んでいます。そして、その事業にはグローバルに人と人をつなげるというビジョンが生まれつつあります。
3年仲間とトライを繰り返したことでやっと見えたのが、創業時に持ちきれなかった、ビジョンの持ち方、具体性、そして大切さでした。
★★★
3年前に掲げた理念、ビジョン、ミッション、コアバリュー。
理念 希望が生まれるシカケをつくる
ビジョン 2028年までに、世界を最も明るくした会社になる。
ミッション 目標・自尊心・信頼できる仲間を持ち、未来に期待する人を増やす。
コアバリュー
自由と責任を愛する
オープンマインドを持ち、相乗効果を生む
アイディアとユーモアを加える
知的非常識を大切にする
ワクワクする方を選ぶ
グローバルに考え、アクションする
すべてのステークホルダーは、パートナー
この価値観によって、未来への期待をつくります。
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