大企業、ベンチャー以外の21世紀の働き方について(1/2)

 

今回は21世紀の働き方について。

人類の働き方は産業に合わせて変わっていくべきで、その環境を整えるのが企業の役割でもあるのではないか、という問題提起です。

 

ITを活用して、早く、よいサービスが世の中に出る態勢は整ってきました。日本でもちょっと前に比べれば格段に起業しやすくなっていますし、前例もできてきて、お金も集めやすそうになったな、と感じます。

 

例えば、シリコンバレーで言われる”Startup”という考え方は、良いサービスを最速で生み出すためのエコシステム。

しかし、ワークスタイルに関しては旧態依然のまま、と考えられます。(まだ中身をこの目で見たわけではないですが、ひとつの場所に集積することによるメリットを打ち出したり、ファクトリー形式でガツガツ開発をする、というイメージ。もちろんインフラやコミュニケーション面では進化は続いています)

では、そのやり方で得られるものは何でしょうか?

 

■”Startup”をやるにあたって得られるモノ

・新しいサービスを

・仲間と一緒に

・圧倒的なスピード感とグローバルなスケール

・巨額の投資とリターンを得て(IPOの場合も、時にはバイアウトも)

・世界にインパクトを与える社会的意義

→”資本主義”的に、非常にエキサイティングな面は魅力的です。

 

■みんなが成功できるのか?

しかし、この超資本主義的スタイルで成功できるのは、全体で1%にも満たないと想います。

チャレンジの機会が何度もあったとしても、皆が事業のスケールを求める限り、必要なWinnerの数は限られます。

例えば、ソーシャルネットワークが世の中に3つもあれば十分なように。

 

もともと資本主義はそのような仕組みと捉えていて、理解している方問題ないと思います。しかし、このスタイル以外の起業の仕方がもっと広がっても良いのではないでしょうか?

 

例えば、イタリアは人口が4700万人で、企業の数が2000万社というデータby『イタリア人の働き方』

また、USでも人口の1/4がフリーエージェントである、というデータby『フリーエージェント社会の到来』

(フリーエージェントを3種類に分類すると、1650万人のフリーランス、1300万人のミニ起業家=法人化したフリーエージェント、350万人の臨時社員=意図しないフリーを含む、となります)

 

HONDAやSONYを目指せ、というMade in Japanが世界に出てもう一度2位を目指す、といった意義とは別に、働きやすい社会を追求することが、工業国として既に世界のトップを一度とった国にとって必要な方向性なのでは、とも思います。

(これが、実はUSが持つもう一つの側面でもあり)

 


■フリーエージェント宣言

「安定を求めるなら大企業」という信仰がありますが、そこで短期的な金銭面の安定と、親戚の顔を立てる以外に何を目的としているのでしょうか?

やりたい仕事や、学びたいスキルが明確であれば問題ありません。しかし、ぶら下がっているだけだと、毎日9時に出社、残業して20時に帰宅、仕事には興味が持てず、職場は話の合わないおじさんだらけ、有給がとれず、バカンスもない。ストレスでうつ病になる方も、という面もあります。

(僕は大企業、ベンチャーと企業勤めを2社、創業2回、フリーでの仕事をちょっとずつ経験したので、その良い面、悪い面は実感値としてあります。なにしろ、毎月割と良い給料が入ってくる、素晴らしい仲間がいるというのは素晴らしい環境です)

 

だから、就職、起業以外の選択肢として、「フリーエージェント」に関しても、環境を整えていくべきところなのかなと感じています。

 

そのひとつは、ハロのHPを作ってもらっている、フリーエージェントの彼のtweetがキッカケでした。

[blackbirdpie url=”http://twitter.com/#!/u_furuya/status/101601097445146624″]

 

“Startup”という、資本を集めて最速で世界を変えるサービスを出す、という流れはできつつあります。これは素晴らしいことです。しかし、一方でフリーエージェントという働き方も定着しつつあり、僕らはその恩恵を受けています。だから、その可能性について考えてみたいと思ったのです。

 

■フリーエージェントの欠点

一言で言うと、収入が不安定なことにより、短期的な仕事を受ける必要が出てきてしまい、創造性をなくしてしまうことだと想います。(前述の彼の場合は問題ないと思いますが)

仕事が安定しない

収入が安定しない

目先の仕事をこなす上に、事務作業もやる必要がある

本来やりたかった仕事ができない

結果がでない

(繰り返し)

 

もちろんスキルがあれば問題ないのですが、一部の人を除いてこんな課題が出てくると思います。

だから、それを解決するプラットフォームとしての組織や考え方があると良いな、と考えています。

 

■フリーエージェントを支える考え

ゴールはIPOでも、バイアウトでもない、21世紀を象徴する会社。

プレイヤーに 一定の安定を提供することで、創造性を担保できるプラットフォーム。

そんなものに価値があるのか?

20年前ならあまり価値は感じられなかったと思いますが、全員がWinnerになれない、経済が停滞している時代には必要な機能だと思います。

 

できるやつは、フリーランスでも会社でもやっていける。

しかし、それは全体の1割にもみたないだろう。だから、スーパースターじゃない人が楽しく過ごせる社会を。

そのためのプラットフォームをつくってみたい。

 

たとえば、

  • 学校のように、所属するもの
  • 組織のブランドがあり、仕事がまわってくる
  • 人がいて、コラボができる
  • 事務作業などをまとめてやってくれる
  • Co-workできる空間がある

つまり、自己実現ができるプラットフォームで、働きながら学ぶことができる場所。

 

freelancer.comのような、グローバルで個人が戦うための受注プラットフォームはあります。

しかし、これこそ価格の逆オークションで、過酷な競争社会。自分のブランドを創るには相当な努力が必要そうです。

 

次回は、フリーエージェントを支えるプラットフォームの具体案について書きます。

 

 

これらの思想はドラッカーやダニエル・ピンク、ジャック・アタリの本が参考になります。
彼らに関しては、10年ほど前からこの思想を日本に対しても提言していたことが興味深いです。

後編はコチラ

 

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